家電の「サンコー」がテレビに何度も登場する、納得の理由:広報戦略を聞いた(4/5 ページ)
おもしろ家電で知られる「サンコー」は、年間200回を超えるテレビ出演などメディアでの露出を多数獲得している。このPR戦略を実行するのが、自身をキャラクター化して活動する○(土へんに谷)晋介(えき・しんすけ)氏だ。一体どんな人物なのか。同社の広報戦略を聞いた。
メディアウケを狙ったニュースレター
広報の仕事には、新商品やニュースなどを扱うプレスリリースやニュースレターの執筆・配信がある。これらはメディア露出を獲得するにあたり、非常に重要な役割を果たすわけだが、ここでも最大限のメディアウケを狙っているという。
実際に送られてきたニュースレターには、サンコーの特徴、売り上げ記録、ヒット商品、企業の沿革、メディア実績、発売予定商品などが9ページに渡って分かりやすく紹介されていた。写真が盛りだくさんでカラフル、印象に残りやすそうだ。
「当社のニュースレターは月に1回ほど、お付き合いのある企業さまにお送りしています。公に出すプレスリリースより自由な体裁で、メディアさんが企画を立てやすいように、という視点で制作しています。
例えば、これから暑くなる季節の企画を考えるとなれば夏の新製品が気になると思うので、開発中の夏向け製品をトップで紹介したり、直近のヒット実績を目立たせたり。また、少しだけプライベートな情報を織り交ぜて人柄を伝えることも大事にしています」
広報は情報発信にまつわる戦略立案や実行が主な業務であり、プロモーション担当者だと思われることもある。しかし、その本質は顧客や取引先をはじめとしたステークホルダーと関係性を構築する「パブリックリレーションズ」である。そのうえで意識しているのは、「相手のために、どう動けるか」だとえき氏。
「常に相手の立場に立って、どんな情報を求められているのか、どうしたらまた一緒に仕事をしたいと思ってもらえるかを一番に考えています。このマインドは営業時代の経験で染み付いたものです。
メディア側にとってサンコーの商品は、素材なんですよね。料理でいえば調味料の一つ。料理人となるメディア側がいろいろな素材を組み合わせてベストを追求するのであって、素材である当社がでしゃばることではないだろうと。全体の構成などを聞いたうえで商品の提案などはしますが、でしゃばることはしません」
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