「ららぽーと門真」、アウトレットと禁断の合体!? 大型商業施設の“二刀流”戦略:将来は「三刀流」に(3/5 ページ)
4月17日に大阪・門真(かどま)に新しい施設がオープンした。ららぽーと、アウトレットパークの2業態複合型。この組み合わせはなぜ「禁じ手」とされてきたのか?
2階にアウトレットモールがある意味
実はこの2階にあるMOP大阪門真は、23年3月まで運営されていた三井アウトレットパーク大阪鶴見が移転拡張したものです。MOP大阪鶴見は「鶴見はなぽ〜とブロッサム(後のMOP大阪鶴見)」という名称で、1995年に三井不動産がオープンさせました。93年に埼玉県ふじみ野市に「アウトレットモール・リズム」という小型のアウトレットモールがオープンしていましたが、その後閉館となったため、本格的なアウトレットモールの1号店と称されていました。しかし、同施設も28年が経ち、施設も老朽化し、店舗数、ブランド力とも強みがなくなっていました。
アウトレットモールは今や全国に33施設あります。全米最大のアウトレットモールであるデベロッパー・サイモン社と組んだ三菱地所・サイモンのプレミアムアウトレット、三井不動産の三井アウトレットパーク、イオンモールのTHE OUTLETSの3社が大手です。
米国では80年代から巨大なアウトレットモールが各地に出店していました。日本で増え始めたのは2000年代に入ってからです。それまでは日本では出店したくてもできませんでした。
アパレルメーカーがYESといわなかったのです。
理由は百貨店との関係性、そしてブランド価値を損ないたくないというイメージの問題でした。
米国では敷地面積100万平米以上、1万台以上の駐車場を持ち、商圏人口100万人以上とれる巨大なアウトレットモールがいくつもあります。代表的な一つが、ニューヨークのマンハッタンから車で1時間ほどの場所にあるウッドベリーコモン・プレミアムアウトレット。同施設は220という店舗数を誇り、ラグジュアリーブランド(例:Acne、トリーバーチ、グッチなど)の出店数も多く、世界中のブランド好きが訪れるモールとなっています。私も初めてここを視察した際には興奮して1日では足りず、翌日も視察に来たほどでした。それだけ充実したアウトレットモールです。
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