売上大幅減なのに6年ぶり最終黒字 ミニストップ浮上のカギは「トップバリュ」と「ベトナム」:妄想する決算「決算書で分かる日本経済」(3/4 ページ)
決算書から日本経済を読み解く本連載。今回は業界4位のコンビニチェーンを運営するミニストップを取り上げていきます。直近の23年2月期では、売り上げを大きく減らしながら6期ぶりの純利益黒字化を達成しています。なぜでしょうか?
PBに関して、ミニストップはイオンの子会社であることから、イオンのPB「トップバリュ」を取り扱っています。トップバリュの商品はスーパーでの販売を中心に考えられており、顧客イメージとしても「味よりも量が多く、安い」という印象があります。
しかし、コンビニの利用者はどちらかというと、「少量のおいしい商品を購入したい」という傾向にあります。この点で、トップバリュの商品イメージはコンビニの集客力に効果が薄いといえるかもしれません。
さらに、トップバリュの商品は全国に展開するイオン各店や多くのグループ会社で購入できます。特に首都圏ではイオングループの小型スーパー「まいばすけっと」が、通常のスーパーが出店できないような商圏にも出店を進めています。こうした点から、PBに期待すべき集客効果がうまく発揮できていないことが、ミニストップの苦戦につながっているかもしれません。
とはいえ、追い風も吹きつつあります。最近では物価高によって消費者の節約志向が高まっています。これをチャンスにして、価格競争力の高いトップバリュ商品を積極的に販売していく狙いを示しています。
同社によると、トップバリュを中心としたイオングループ限定商品を活用することで、実際にワインやソフトドリンクの販売が増加しているとのこと。今後PB商品の販売がどうなっていくかに注目です。
その他、店舗内加工食品に関しては前期比106.3%と増加しています。こちらの取り組みは継続して注力しながら商品価値の向上を図るとしていますので、PBとともに注目の領域です。
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