1泊20万円! 電気と水を自給しているホテルが、稼働率90%の理由:週末に「へえ」な話(4/4 ページ)
既存のインフラを利用せずに、100%自給でまかなっているホテルがある。三島駅からクルマで1時間ほどのところにある「WEAZER 西伊豆」だ。電気や水をどのようにつくっているのか、開発した会社を取材したところ……。
街をショールームのように
ホテルの稼働率は高い、問い合わせも多い、購入者も増えそうだ。となれば「順調」の2文字しか浮かんでこないが、実際に運営したところ想定外だったことがある。電気と水の使用量である。
過去20年分のデータを分析して、「これで大丈夫! 停電もしないし、水も枯れることはない」という状況になったので、「自給率100%」をアピールすることができたわけだが、人によって使用料が大きく違うのだ。
シミュレーションのときには、1人当たりの電力・水の使用量を計算して、「これだけの蓄電が必要だよね」「水を貯めておかなければいけないよね」といった形で組み立てていったものの、運営してみると「人によって大きく違う」ことが分かってきたのだ。
例えば、シャワーを浴びる時間は、平均10分としよう。しかし、人によっては1時間ほど浴びている。エアコンを使う時間も平均があるわけだが、それ以上に使う人もいる。先ほど紹介したように、だからといって照明が消えたわけではなく、水が枯れたわけでもない。ただ、想定以上に使う人がいるので、パラメーターを見直して、十分な量を確保していくようだ。
さて、これからの話である。WEAZERブランドのホテルを24年に1軒、25年に1軒と少しずつ少しずつ増やす予定である。しかも、同じエリアにポコポコ建てていく計画だそうで。「コンビニのようなドミナント戦略?」と思ったが、そうではなく、エリアを限定することによって、街全体をショールームのような形にしたいそうだ。
少しずつ増えていくホテルは、テクノロジーの発展とデータの蓄積によって、少しずつ“進化”していくのかもしれない。
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