「想定以上の反響」と驚き ローソン実質半額「コーヒーのサブスク」、導入のワケ:1カ月「1500円」(2/4 ページ)
「コーヒー1杯50円」「実質半額」──。ローソンがコーヒーのサブスクサービスを開始し、話題を集めている。導入の狙いは?
「繰り返し購入するメリット」
同社は毎年1回、社内公募でアイデアを募集し、採用されたら最大1億円の予算がもらえる、というチャレンジプログラム「億チャレ!」を実施している。コーヒーのサブスクはこのプログラムで愛知県の営業担当者2人と筑間さんが提案したアイデアだ。
「これまでクーポンの配布などはしていたものの、『繰り返し購入するメリット』をあまり提供することができていなかったように感じています。世の中で『サブスク』が主流になる中で、ローソンとしても何か面白い取り組みができないかと考えていたこともあり、常連さんに喜んでいただけるサービスを提供したいという思いから、マチカフェプライムを開始しました」(筑間さん)
「サブスクでは『繰り返し購入されること』が鍵になると考えています。カウンターフーズのコーヒーは非常にリピート率が高い商品。お客さまの反応も良く、サービスとしても成り立つと考えました」(木村さん)
ターゲットは(1)日常的にコーヒーを購入しているヘビーユーザー、(2)ローソンに来店していないがコーヒーは好きという人──を想定。(1)ではお得感を訴求し、より気軽にコーヒーを飲めるよう促す。(2)の場合は、「サブスクがあるから、ローソンに行ってコーヒーを購入しよう」という動機付けにつながり、需要の喚起にも期待する。
「サブスクがあるからローソンに来店する。そして、マチカフェを飲んでファンになってもらう、という狙いもあります」(木村さん)
さらに、ブラックコーヒーのみではなく、差額を支払えばカフェラテや紅茶も購入できるなど自由度を高くすることで、より幅広い層の獲得も見込む。「110円安く買える」と新作ドリンクを試し買いする客が増え、売り上げに貢献する可能性もある。
サブスクの効果については、「来店増」「マチカフェの売り上げ増」「買い合わせなどによる店舗全体の売り上げ増」の3段階で考える。
「スイーツやベーカリーとの買い合わせが多いと予想しています。また、朝はコーヒーのみ、午後は仕事の合間のリラックス需要でスナック菓子などと一緒に購入するなど、何かしらの傾向が見えてくると思います。時間帯や立地、客層でのサブスクの活用方法がどのように違うのか、実証実験で分析していきたいですね」(筑間さん)
他にも、コーヒーと買い合わせが多い商品に関しては、セット商品の販売なども検討。「獲得したデータの活用には無限の可能性がある」(木村さん)という。
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