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なぜfreeeが本屋を始めたのか 経営状況を”明け透け”にする「透明書店」何が新しいのか(5/5 ページ)

クラウド会計ソフトを展開するfreeeが子会社を設立し、書店経営に参入する。蔵前にオープンした「透明書店」は、月々の売り上げなどの経営状況から経営にまつわる施策や日々の出来事などを“明け透け”に公開する一風変わったコンセプトだ。どんな書店なのか。

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現状の課題は「黒字化」

 ユニークなコンセプトということもあってか、プレオープンには多くの報道陣が集まった。質問コーナーも大いに盛り上がり、同事業への注目度の高さがうかがえた。とはいえ、一般的な書店との明らかな違いは見られるものの、顧客視点で何度もリピートするかどうかと考えるとインパクトに欠けるかもしれない。


蔵前という地域や書店関連企業との連携を進めたい意向もあるそうだ(筆者撮影)

 共同創業者の岩見俊介氏は、「どのようにして黒字化させるかが一番の課題」だと話す。

 「実際、書籍を売るだけでは黒字化が難しい現状があります。そのためのアプローチとして、飲食物を提供する、不透明な部屋をコワーキングスペースや貸し会議室として貸し出す、イベントを実施する、営業時間外に無人営業をする、いずれ古本も扱うなどのアイデアがあるかなと思っています」(岩見氏)

 透明書店の毎月の経費は、家賃30万円、人件費30万円、その他の雑費などが20万円と固定費だけで約80万円にのぼるという。書籍の粗利率が20〜30%であることを踏まえて、採算ラインを超えるには、毎月2000冊を売らなければならない。まずは本をしっかり売ることが先決だが、徐々にアイデアをカタチにしていくという。

 さらに、顧客の反響を見ながら選書や運営スタイルも柔軟に変えていくという。今後の経営状況の発信にも、注目が集まりそうだ。

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