なぜfreeeが本屋を始めたのか 経営状況を”明け透け”にする「透明書店」:何が新しいのか(4/5 ページ)
クラウド会計ソフトを展開するfreeeが子会社を設立し、書店経営に参入する。蔵前にオープンした「透明書店」は、月々の売り上げなどの経営状況から経営にまつわる施策や日々の出来事などを“明け透け”に公開する一風変わったコンセプトだ。どんな書店なのか。
ChatGPTを搭載した「クラゲ」も登場
上述したとおり、透明書店ではアナログな運営が主流となっている書店経営において、さまざまなテクノロジーを活用していく予定だ。
その象徴ともいえるのが、入り口を入って右側に設置されたモニターである。プレオープンでは、ChatGPTを搭載した「クラゲ」のキャラクターによる接客のデモンストレーションが行われた。
モニター上では、30分ごとの売り上げデータがリアルタイムで分かるようになっている。右上の円グラフが目標に対する達成度を表し、その数字によってクラゲの元気度が変わるという。
透明書店が目指すのは、クラゲが副店長のような存在になること。顧客への接客を通して、書店の世界観を伝えていく。また、選書や経営状況などに関する店長との対話を通じて、経営をナビゲートする店長の相棒のような役割も想定しているという。
接客にあたっては、顧客が一人で本屋に来てモニターに話しかける仕様は想定しづらいことから、モニター前にキーボードを置くようだ。
運営のうち在庫管理にもテクノロジーを活用している。開店準備段階では手作業で紙を使って管理していたが、開店時点ではデジタル管理に切り替えた。書籍に印刷されているバーコードを読み取る、あるいはバーコードを発行して書籍に貼り付けるなどして、すべての商品の在庫管理をデジタルでリアルタイムに行っているそうだ。
今後は、ファックスでの受発注にもテクノロジーを導入して効率化したいと岡田氏は話す。インターフェイスが同一で誰でも使えるというファックスの利便性を損なわない代替方法を検討しているという。
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