連載
なぜヘッドライトがまぶしく感じるクルマが増えているのか:高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)
夜間、クルマを走らせていて、対向車や後続車のヘッドライトがまぶしく感じることがある。その原因はどこにあるのか。大きくわけて3つあって……。
明るいヘッドライトが登場したことによって
そして2000年代に入ってキセノンバルブ、ディスチャージランプとも呼ばれる放電型のHIDヘッドランプが導入されるようになり、ヘッドライトは明るく白くなっていく。それ以前からハロゲンバルブでも高効率型として白く明るいバルブがリプレイス品では人気となっており、色温度の高い蒼白い光が主流となっていったのだ。
HIDランプとプロジェクターを組み合わせたヘッドライトは光量と配光特性によって夜間の視界を驚くほど明るくしてくれたが、そのころからクルマの電子制御や快適装備は急速に充実していくことになるのだった。
そうした明るいヘッドライトが登場すると、既存のクルマのヘッドライトも明るくさせる需要が生まれる。後付けのHIDランプキットが登場し、普及していくと競争原理で販売価格も下降してますます普及は加速する。こうして従来のレンズカット式ライトやマルチリフレクター式のヘッドライトにHIDランプを取り付けて、光量アップを図るドライバーが増えていったのだ。
従来のハロゲンバルブ用のライトユニットにHID、それも光量を大幅に高めたHIDライトを組み込むと、夜間の視界は当然明るくなるが、周辺へ拡散する光も増える。これは周囲のドライバーにとって非常に迷惑なことだ。
ロービームでも本来の光量より大幅に明るくなったことでハイビームのように対向車を幻惑する状態になったことに気づかず、自分の視界が確保されたことで安心しているだけのドライバーも多い、ということなのだ。
関連記事
- なぜSUVは売れているのか 「しばらく人気が続く」これだけの理由
街中でSUVをよく見かけるようになった。各社からさまざまなクルマが登場しているが、なぜ人気を集めているのだろうか。EV全盛時代になっても、SUV人気は続くのだろうか。 - なぜプリウスは“大変身”したのか トヨタが狙う世界市場での逆転策
トヨタが新型プリウスを発表した。発売はまだ先なので、車両の詳細なスペックなどは分からないものの、その変貌ぶりが話題になっている。それにしても、なぜトヨタはこのタイミングで発表したのか。背景にあるのは……。 - マツダCX-60は3.3Lもあるのに、なぜ驚異の燃費を叩き出すのか
マツダCX-60の販売状況が、なかなか好調のようだ。人気が高いのはディーゼルのマイルドハイブリッドと純ディーゼルで、どちらも3.3Lの直列6気筒エンジンを搭載している。それにしても、3.3Lもあるのに、なぜ燃費がよいのだろうか。 - なぜ「プリウス」はボコボコに叩かれるのか 「暴走老人」のアイコンになる日
またしても、「暴走老人」による犠牲者が出てしまった。二度とこのような悲劇が起きないことを願うばかりだが、筆者の窪田氏は違うことに注目している。「プリウスバッシング」だ。どういう意味かというと……。 - 次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
西九州新幹線開業、北陸新幹線敦賀延伸の開業時期が近づいている。そこで今回は、新幹線基本計画路線の現在の動きをまとめてみた。新幹線の構想は各県にあるが、計画は「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」として告示されている。これと費用便益比、各地のロビー活動の現状などから、今後を占ってみたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.