取り壊された「中銀カプセルタワー」の行方は? 第1号が“動き”始めた:週末に「へえ」な話(2/3 ページ)
銀座、新橋、築地の中間ぐらいのところにあった「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。140個のカプセルからできていたが、昨年老朽化のために取り壊した。ただ、再生する動きもあって、全国各地でカプセルがよみがえろうとしている。
カプセルを動かしたいよね
取り壊すからといって、そのまま捨てるのはもったいない。14年に結成された中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクトが「なんとかならないものか」と考え、取り外したカプセルのうち23基を再活用することが決まったのだ。
カプセルの行き先として、国内外の美術館や商業施設に展示するほか、宿泊施設として使えないかといった計画が進んでいるとのこと。そんな中で、第1号が“動き”始めたのだ。
“動き”始めたのはプロジェクトが進んでいるという意味ではなく、実際に“動くカプセル”としてよみがえったのだ。カプセルの1つを受け取って、再生に携わったのは大阪に本社を置く淀川製鋼所である。
カプセルを受け取ったものの、どのように使うのか決まっていなかったそうで。「ああでもない、こうでもない」といった議論を重ねていくうちに、「カプセルを動かしたいよね」という話に。個性的な設計や歴史を知ってもらうために、移動できる「トレーラーカプセル」はどうかと考え、企画が進んでいったのだ。
とはいえ、話はトントン拍子に進まない。トレーラーカプセルを実現するにあたって、積載重量の基準をクリアしなければいけなかったのだ。基準の上限は2.7トン。内装を取り外したいわば“箱だけ”の重さを測ったところ、2.5トンもある。となると、余裕は200キロしかない。アレも詰め込んでコレも備え付けてといった具合に、当時の姿に復元すれば、重量オーバー間違いなしの数字である。
こうした状況に対し、淀川製鋼所と関係者はどのような手を打ったのか――軽量化である。壁や天井の仕上げをせずに柱などが見えるようにしたり、ユニットバスの壁をなくしたり、二重窓を一重にしたり。できるところはすべて軽量化して、なんとか2トンまで抑えることに。700キロの余裕が生まれたので、アレも詰め込んでコレも備え付けてといった感じで、再生を進めることができたのだ。
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