取り壊された「中銀カプセルタワー」の行方は? 第1号が“動き”始めた:週末に「へえ」な話(3/3 ページ)
銀座、新橋、築地の中間ぐらいのところにあった「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。140個のカプセルからできていたが、昨年老朽化のために取り壊した。ただ、再生する動きもあって、全国各地でカプセルがよみがえろうとしている。
51歳のカプセルは姿や形を変えて
理想としては、そっくりそのまま再現したい――。ただ、内装についてはできるものとできないものがある。解体前に救出した照明やユニットバス、テレビ、オープンリールデッキなどはそのまま取り付けた。一方、床は軽量な素材に変更して、カーペットも張り替えた。
完成した姿を見た淀川製鋼所の担当者は「100%復元できたわけでないですが、軽量化したことによってこれまでになかった面白さが生まれたのではないでしょうか」と話していた。
トレーラーカプセルは5〜6月にかけて、3カ所で展示会を開催する。残念ながら部屋の中に入ることはできないが、4月の展示会に訪れた人たちからは「動くカプセルもよいよね」「ここまでよく復元できたよね」といった声があったそうだ。
第1号の動きは上々の滑り出しとなったわけだが、となると気になるのは第2号の姿である。いまのところ、演劇事業などを手掛ける松竹の出番となりそうだ。同社はカプセル2基を取得していて、東銀座にある東劇ビルの隣接地に復元することを明らかにした。
2023年の秋に「SHUTL(シャトル)」という名の建物を完成させて、その中にカプセルを収納する。カプセル内で美術品の販売やイベントの実施など、さまざまな企画を予定しているそうだ。
考えてみると、中銀カプセルがあったのは「銀座8丁目」、東劇ビルがあるのは「築地4丁目」。直線距離にすると500〜600メートルほどなので、ご近所さんのところに引っ越しするといった感じである。
冒頭でも紹介したように、保管しているカプセルは23基である。淀川製鋼所と松竹で使われ、残りは20基。51歳のカプセルは姿や形を変えて、まだまだ現役として活躍が続きそうだ。
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