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「出会いがない」「理想の相手に出会えない」 コロナ禍で婚姻件数減少が加速した三重県、リクルートと協業へ男女比がアンバランス(2/2 ページ)

「理想の相手と出会えない」――地方では「結婚」において「出会いのなさ」が深刻な課題に。こうした状況を受けて、三重県はリクルートと協業するという。どういった取り組みをするのか。

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リクルートの知見を活用 具体的な取り組みは?

 リクルートは「ゼクシィ縁結び」のマッチングアプリなどの婚活サービスだけでなく、「ブライダル総研」という機関を運営している。ブライダル総研では恋愛や結婚、家庭生活全般と、それらが社会に波及する効果を調査・研究・提言する。今回の出会い・結婚に関する連携協定の締結に至った経緯については、「事業活動の中で培った知見などをもって、三重県をサポートできるのではないかと考えました」(山中亜紗子氏・Division統括本部 マリッジ&ファミリーDivision営業統括部 営業推進部 マリッジ&ファミリー総研グループ)とコメントした。

婚活
(ゲッティイメージズ)

 リクルートに今回の協定締結でどういった取り組みをするのか聞くと「具体的な内容や実施時期は未定」としたが、大きく2つの項目で考えているという。

 1つ目はヒアリング・アンケート調査、分析の実施。結婚希望者の出会いの現状やニーズ、課題の把握につなげる。新規アンケートのみでなく、ゼクシィで有するデータの中で三重県のサンプルを抽出し、分析することも検討している。

 2つ目はマッチングアプリをはじめとする多様な婚活サービスについて、トラブルに巻き込まれないための啓もうセミナーを開催予定だ。独自で開催するだけではなく、三重県内の市役所や大学などが行うセミナーとの共同開催も検討する。

 「トラブルに巻き込まれないための利用方法や留意点、自身の希望に合ったサービスの選択方法などを発信していきます。啓もうセミナーの実施によって、マッチングアプリの『心理的ハードルを下げる』『認知拡大』という両軸にアプローチ。婚活サービスの利用に対する不安感や誤解を払拭することを目指しています」(堀口健人氏・Division統括本部 マリッジ&ファミリーDivision RZN婚活事業部)

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結婚した人のうち、婚活サービスを利用していた人の割合(婚活実態調査2022、ブライダル総研調べ)

地方が直面する課題

 三重県だけでなく、地方では「出会い」について課題を抱えている都道府県が多い。「若年層の流出」と「男女比のアンバランス」さが、出会いにくさの大きな要因となっている。

 「進学、就職のタイミングで若者が地元を離れていくことが多いですが、男女で差が出るのは『就職』のタイミングです。中小企業が比較的多い地方では、女性が活躍する環境がまだまだ整っていないのが現状です。『活躍したい』と考える女性達が、大きな会社のある都市部の方に流れていきやすいという課題があります」(山中氏)

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マッチングアプリを使用する理由(消費者庁 マッチングアプリの動向整理)

 リクルートは今回の三重県との協業で、「少子化」と「出会いの少なさ」といった課題の解決を目指すという。「同時にマッチングアプリなどの婚活アプリの活用の認知や啓もうにつなげていきたいです」(堀口氏)

 一方三重県は事業者が持つ知見を借りて、結婚に対するニーズを明確化していく姿勢。

 「本協定では、多くの会員を抱え、出会いや結婚のトレンドに知見を有する事業者の力をお借りして、結婚を希望する方のニーズや課題を把握していきたいです。また、婚活市場の動向やトラブルへの注意喚起、アプリの効果的な活用方法などの啓発セミナーを通じて、結婚を希望する方が自分に合った方法で婚活を安心・安全に進め、その希望をかなえてもらいたいと考えています」(三重県担当者)

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