ほとんどの単純作業は自動化できる、OniGO社のSaaS活用術:残業やエラーを減らした(2/3 ページ)
人事の繁忙期は年に5回と言われている。労務を兼務していると、給与計算が発生する毎月末も残業が増える。こうした業務を効率化するために、担当者はどのようなSaaSを活用しているのだろうか。宅配スーパーを運営しているOniGO社に話を聞いたところ……。
「成長」の裏側で生じる課題
スタッフの数がオープンから半年で15倍と、急激に増えたことで、さまざまな弊害が生じた。アルバイトの中には、急に退職する人や連絡がつかなくなる人が出てきた。当時、退職に関する運用フローが整っておらず、退職者のアカウントが残っていたり、代わりに誰が出勤できるのかよく分からなかったり、人の管理ができていない状態だった。
こうしたこともあって、給与の振り込みミスも多発していた。入社日や社会保険の有無など、従業員の情報を管理していたスプレッドシートのデータが壊れたことをきっかけに、「このままではいけない」と、業務やフローの見直しを行うことになったのだ。
入退社の手続きなどを行う「SmartHR」や、勤怠管理を行う「ジョブカン」などを導入した。その後、従業員情報の管理をスプレッドシートから「kintone」に移行したことで、情報の管理はしやすくなった。以前に比べると効率化を図ることができたものの、新たな課題に直面した。各SaaSの情報を連携するには、CSVに落とし込んでアップロードをするなど、手作業で行う必要もあったことからエラーも多かったという。
この問題を解決するために枦山さんは、SaaS連携ツール「Yoom(ユーム)」を導入。このツールを使えば、さまざまなSaaSを連携できる。例えば、「kintone」内の情報が「SmartHR」に自動で反映されるようになった。原因不明のエラーがなくなったことで、これまで要していた工数は半分ほどに削減したという。
「今年はこれまでで一番入社人数が多く、アルバイト約270人の入社対応も行いました。以前のように『SmartHR』に1件ずつ登録していたら、給与計算の締めに間に合っていなかったと思います。
1月からは通常業務以外にも、店舗運営まわりをサポートするために、ミーティングに参加する機会がすごく増えました。それでもほとんど残業することなく、勤務時間内で業務を終わらせることができました」(枦山さん)
OniGO社では、店舗の数字を管理するにあたって、データ分析ツール「Tableau(タブロー)」を利用している。店舗ごとの配達件数や売り上げなどを日毎、月毎などで管理・分析。そうすることで本部だけでなく、各店舗の数字や目標に対するコミットメントや意識が大きく変わったという。SaaSの導入で、業務の効率化だけでなく、従業員のモチベーションアップにも寄与したというのだ。
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