成果を出す営業は「型」を知っている キーエンス出身者が教える、型を構成する3要素:ハイパフォーマンス営業の頭の中(1/4 ページ)
営業で早期に成果を出すには「型」が必要だ。企業の中でも営業の仕組み化、再現性にこだわりを持ち、型の完成度が高いキーエンスの事例を基に、型を構成する3要素を解説します。
連載:ハイパフォーマンス営業の頭の中
圧倒的な成果を出し続ける営業は、日々どのようなことを考え、どのように実行しているのだろうか? キーエンス、SAP、freeeなどで16年の営業キャリアを積んだ筆者が、早期に成果を出すためのヒントや営業組織の強化方法を紹介します。
「まずは、型を覚えろ!」と言われたことのある営業は多いと思います。
では「なぜ型が重要か?」について皆さんは説明できますか? 「上司、先輩に重要だと言われたから」では本当に型の重要性を理解しているとはいえません。型の重要性を言語化できていなければ、本気で型の習得に取り組むことはもちろん、部下や後輩に教えることもできません。
私が新卒で入社したキーエンスは、営業の仕組み化、再現性にこだわりを持っていて、型化がかなり進んでいました。その後、ERPで世界一のシェアを持つ外資IT企業や、日本を代表するスタートアップ企業で働く中でさまざまな企業の営業の型化について聞く機会がありましたが、キーエンスほど営業の「型」が作りこまれている企業は見たことがありません。
型とは、それまでに成功した多くのケースを抽象化して共通する点を抜き出したものです。そのため型の習得は、早期に成果を出せるようになるために重要です。
型を知らずに闇雲にやって成果が出たとしても、それはすでに誰かが型化していることを時間をかけて見つけただけで、車輪の再発明をしているに過ぎません。型を見つけ出すために試行錯誤することで身に付くこともありますが、すでにある型をそのまま習得した方が早期に成果を出せます。
もちろん、何も考えずに数をこなすだけでは習得できません。あるポイントを意識する必要があります。
今回はさまざまある営業の「型」の中でも「提案の型」の習得方法と、意識すべきポイントについて書いていきます。
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