なぜミンティアのケースに“溝”があるのか 前年比122%で推移している背景:週末に「へえ」な話(1/4 ページ)
新型コロナの影響を受けていた「ミンティア」の売り上げが戻りつつある。移動制限やマスク着用などによって苦戦を強いられていたわけだが、前年比122%で推移している。ミンティアのことを調べていくと、気になる点がいくつか出てきて……。
脱マスクが広がる中、売り上げがコロナ前に戻りつつあるモノがある。旅行カバンであったり、リップであったり、ひげ剃りであったり。このほかにもたくさんある中で、筆者が気になったのは「ミンティア」(アサヒグループ食品)である。
ミンティアの特徴といえば、やはり「清涼感」だ。仕事をしているとき、人と会うとき、食事を終えたあとに、タブレット(錠菓)を口に含んで“鼻抜け感”を楽しんでいる人も多いのではないだろうか。
さて、そんなミンティアも、新型コロナの影響を受けて苦しめられた。移動が制限されたこと、マスクを着用するシーンが増えたこと。この2つによって、“タブレット離れ”が起きてしまった。売り上げを見ると、対前年比で30%ほど落ち込んでしまったのだ。
2020〜22年は低迷したものの、今年に入って復活の兆しがうかがえる。1〜3月の売り上げを見ると、対前年比122%で、販売目標160億円(前年比108%)を上回るペースで推移しているのだ。
ふむふむ。街中でマスクをしない人が増えているので、ミンティアも売れ始めたわけね。などと考えていたら、気になることが浮かんできた。コロナ前の売り上げはどうだったのかである。
ちょっと調べたところ、商品が産声をあげたのは1996年のこと。今年27歳を迎えるロングセラー商品なので、「華々しいデビューを飾ったんだろうなあ」と思いきや、寂しい数字でスタートする。(ポーラフーズが販売していたが、2003年にアサヒグループ食品の前身であるアサヒフードアンドヘルスケアが販売権を獲得)
1年目は首都圏のみで販売する。2年目に全国で販売するものの、3年目には前年割れ。4年目に回復したものの、5年目に再び前年割れに。一進一退の状況が続いていたので、気が短い幹部は「いらいらいらいら」していたかもしれないが、伸び悩んでいた原因が2つあった。
1つめは、認知度である。当時、タブレット菓子の歴史は浅かったので、食べたことがない消費者が多かった。というわけで、市場を拡大させるのにどうしても時間がかかった。2つめは、味である。アサヒグループ食品のブランド担当者に聞いたところ「当初のミンティアは、お世辞にも『100点』を付けられるような味ではなかったですね」と厳しい答えが返ってきた。ん? どういう意味なのか。
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