22年度はスライドドア&ミニバン強し 日産の大本命「セレナ」はどこまで食い込めるか:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(1/3 ページ)
2022年度の新車販売の実績の数字がそろいました。22年度はどんなクルマが売れたのでしょうか? 売れたクルマから見えてくる傾向とは? その結果から、23年度の状況を予測してみましょう。
2022年度の新車販売実績の数字がそろいました。22年度はどんなクルマが売れたのでしょうか? 売れたクルマから見えてくる傾向とは? その結果から、23年度の状況を予測してみましょう。
ベスト10のうち8モデルがトヨタ車
2022年度の乗用車ブランド通称名別順位は以下の通りです。ベスト10のうち、8モデルをトヨタ車が占めました。
昨年は「コロナ禍によるサプライチェーンの混乱」「半導体不足」による新車の生産遅れが発生しています。もちろんトヨタにも大きな影響が生じています。同社の公式Webサイトにある「生産遅延に基づく工場出荷時期目処の一覧」を見ると、現在でも早いクルマで注文から工場出荷まで3カ月程度。6カ月や、それ以上という車種も数多くあります。その中での上位独占は、さすがトヨタの底力といえるものではないでしょうか。
トヨタ車だらけに食い込む日産「ノート」
そんなトヨタ車だらけの中、3位に食い込んだ日産「ノート」の強さも特筆すべきです。なぜなら1位の「ヤリス」と2位の「カローラ」の販売台数には、SUVバージョンも含まれているからです。ヤリスには、ハッチバックのヤリスだけでなく、SUVの「ヤリスクロス」、カローラにはハッチバック、セダン、ステーションワゴン、SUVの「カローラクロス」まで含まれています。
それに対するノートは、ハッチバックの「ノート」と「ノートオーラ」だけ。こうした含まれるモデル数の差という不利な点を持ちながらの3位は、相当な好成績といえます。先代ゆずりの広々とした室内空間に、ハイブリッド専用車という先進性、モダンなデザインという個性が市場に高く評価されているのでしょう。
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