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「CX-60」好調のマツダ EV時代にエンジン車へこだわるのはなぜか:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(1/4 ページ)
22年秋に発表された「CX-60」や、売れ行き好調な「ロードスター」を擁するマツダ。過去に何度も絶体絶命の状況に陥った同社の“七転び八起き”な歩みを振り返る。
現在のマツダに対して、「クルマ好きに愛される」「玄人向け」などのイメージを持つ人が多いようです。2022年秋に発表された「CX-60」や、売れ行きが好調な「ロードスター」の評判の良さが、その理由でしょう。
CX-60と同じプラットフォームを使う新型の大型SUVを、日欧米に3モデル投入することも予告されています。その様子は、順風満帆に見えます。しかし、マツダの歴史を知る人であれば、やや“前のめり”な姿勢に一抹の不安を抱くかもしれません。なぜならマツダは、過去に何度も絶体絶命の状況に陥ったことがあるからです。
創業時から波乱含み
マツダは1920年、東洋コルク工業として創業しましたが、その創業時から経営は波乱含みでした。創業直後には、第一次世界大戦後の戦後恐慌が勃発。さらに3年後には関東大震災が発生しました。
その影響による景気悪化を乗りきるため、東洋コルク工業はリストラを実施して再建を進めました。ところが、25年12月に工場の大半を焼失する火災に見舞われます。まさに泣き面に蜂。この逆境に臨み、社名を東洋工業と改め、コルクから機械へと業務内容を変更します。
その後、同社は31年から三輪トラックの販売を開始。三輪トラック市場で大きく成長します。第二次世界大戦と、本拠地である広島への原爆投下という悲劇にも見舞われますが、それらを乗り越え戦後復興を遂げていきます。
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