新型GT-R、開発陣を悩ませた騒音問題 心地よいエンジン音、ヒントは「ジャンボジェット機」:R35型の集大成(1/3 ページ)
東京オートサロン2023で先行公開された「NISSAN GT-R」2024年モデル。“技術の日産”を体現する究極のスポーツカーの中でも、大きな技術開発となったのが、新構造のマフラーだという。
日産自動車は1月13日、幕張メッセ(千葉市)で開催中の東京オートサロン2023で、「NISSAN GT-R」2024年モデルを先行公開した。2007年のデビュー以来、改良を重ねている「R35型」の最新モデルで、日産のアシュワニ・グプタCOOは「日本が世界に誇るスポーツカーだ」と自信をのぞかせた。
先行公開イベントの中で、グプタ氏は「GT-Rのエンジンとトランスミッションは手作業で組み上げ、入念な確認と調整を行っている。まさに“技術の日産”を体現する究極のスポーツカーだ」と語った。中でも、この2024年モデルにとって非常に大きな技術開発となったのが、新構造のマフラーだという。
同社チーフビークルエンジニアの川口隆志氏によると、新構造のマフラーの開発は厳しい車外騒音規制に対応するためだったという。
厳しい車外騒音規制に対応する、つまり排気音を小さくするには、排気管を長くする、マフラー容量を大きくして音を静かにさせるという方法が一般的だった。しかし、これらの方法では、中に流れている排気ガスの流れが悪くなってしまい、結果としてクルマの出力が落ちてしまうという。
「また、単純に排気音を下げてしまった場合、GT-Rのようなスポーツカーは走行中、特に加速をしている時に欠かせない高揚感を与えるサウンドを失いかねず、大きな課題となっていました」(川口氏)。そこで、排気管の途中に分岐構造をもっているマフラーを新たに開発した。
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