ニュース
新型GT-R、開発陣を悩ませた騒音問題 心地よいエンジン音、ヒントは「ジャンボジェット機」:R35型の集大成(2/3 ページ)
東京オートサロン2023で先行公開された「NISSAN GT-R」2024年モデル。“技術の日産”を体現する究極のスポーツカーの中でも、大きな技術開発となったのが、新構造のマフラーだという。
着目したのはジャンボジェット機
なぜ分岐させたのか? 2024年モデルの新構造マフラーのイラストを見ると、密閉された空間がある。この空間が消音室の役割を果たす「レゾネーター」であり、この消音室を設置するのが大きな目的だった。
「イラストの上の方からエンジン音が伝わってきます。分岐して右にも左にも音は伝わりますが、左に伝わった音はこのレゾネーターによって低音域のみピンポイントで消音されるのです」(川口氏)。これによって、車外騒音規制に対応した。
左に伝わったエンジン音が消音される一方で、排気ガスは右方向にしか流れない。「左方向は密閉されているので、排気ガスは必然的に右から排出されます」(川口氏)。排気ガスの流れを一切変えることなく、動力性能を維持したのだ。
マフラーを分岐させることで、車外騒音規制、動力性能の維持の2つをクリアした開発陣。残る課題である高揚感をもたらすサウンドを成立させるにはどうすればいいのか? 開発陣が着目したのが、ジャンボジェット機のジェットエンジンだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
トヨタ、新型「プリウス」発売 価格は275万円から
トヨタ自動車は1月10日、昨年11月16日に世界初公開した新型「プリウス」を発売した。第1弾として、走行状況に応じて、モーターとエンジン両方の動力を利用できるシリーズパラレルハイブリッド車(HEV)を展開する。
新型「プリウス」世界初公開 豊田社長とケンカしても、開発陣が譲らなかったことは?
トヨタは11月16日、新型「プリウス」を世界初公開した。1997年の誕生から25年間、ラテン語の「開拓者」に由来するその名の通り、新世代のエコカーとしてHEVの普及を牽引したプリウス。
発売から3カ月 新型クラウンは売れているのか?
今年の7月に発表された新型クラウン。この秋からは、第一弾となる「クラウン(クロスオーバー)」の販売が開始されました。どれだけ売れているのでしょうか?
2022年の自動車市場を振り返る 注目されたクルマ、実際に売れたクルマは?
コロナ禍になって3年目。今年はコロナ禍以前のように、数多くの新型車が登場しました。どんなクルマが投入され、注目されたのでしょうか。2022年の自動車市場を振り返ります。
新型「セレナ」発表 疲れにくく、酔いにくいクルマを極めたワケ
日産自動車は11月28日、フルモデルチェンジした新型「セレナ」を発表した。室内空間の広さや利便性はそのままに、最先端技術の搭載やさまざまな機能の拡充、移動時の快適性を徹底追求したという。


