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新型GT-R、開発陣を悩ませた騒音問題 心地よいエンジン音、ヒントは「ジャンボジェット機」:R35型の集大成(3/3 ページ)
東京オートサロン2023で先行公開された「NISSAN GT-R」2024年モデル。“技術の日産”を体現する究極のスポーツカーの中でも、大きな技術開発となったのが、新構造のマフラーだという。
NISSAN GT-Rは”技術の日産”の魂
「ジャンボジェット機は10万馬力、今回発表したNISMOの600馬力と比較すると160倍もの出力があります。こうしたジャンボジェット機にももちろん音はありますが、相対的に考えるとそれほどうるさくありません」(川口氏)。エンジニアたちは分析を重ね、ジェットエンジンのタービンの周りの風の流れ・圧力分布に理由があることを突き止めた。
川口氏によると、ジェットエンジンのタービンの周りには大きな渦が発生していない、つまり、小さな渦がいくつも発生しているのだという。「音というエネルギーを低音域から高音域までいろんな音に分散させていることによって、音のボリュームを下げているのです」(川口氏)
これを参考に分岐構造の配管の形状を工夫。中に流れる排気ガスによる空気の渦を、小さな渦にしていくつも発生させた。その結果、エンジンを加速して高回転域になればなるほど、迫力のある新しいGT-Rのサウンドを構築することに成功した。
2024年モデルは「人の感性に気持ち良く。それでいて速い。」「トータルバランスをもっと高い次元へ」が、開発のキーワードとなっている。車外騒音規制への対応、動力性能の維持、スポーツカーの醍醐味である音、この3つを成立させた同モデルは、グプタ氏の言葉通り「一切の妥協も許さない、頂点を極めた”技術の日産”の魂である」といえるだろう。
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