22年度はスライドドア&ミニバン強し 日産の大本命「セレナ」はどこまで食い込めるか:鈴木ケンイチ「自動車市場を読み解く」(3/3 ページ)
2022年度の新車販売の実績の数字がそろいました。22年度はどんなクルマが売れたのでしょうか? 売れたクルマから見えてくる傾向とは? その結果から、23年度の状況を予測してみましょう。
注目は、セレナe-POWERと新型プリウス
そんな人気の高いスライドドアのミニバンとして、日産は4月20日に「セレナ」のハイブリッドモデルである「e-POWER」グレードを発売しました。セレナは、昨年にフルモデルチェンジを行いましたが、本命であるハイブリッドの発売は今春にずれ込んでいました。つまり、セレナは23年度こそ勝負の年となります。
現状としては発売の4月20日の時点で、すでに受注が2万台を突破しており、これは16年の先代デビュー時と同じ。先代モデルは、18年にハイブリッドの「e-POWER」を追加した後、大きく販売を伸ばしています。
そういう意味でも、ハイブリッドを追加した今年のセレナは、より上位をうかがうことになるはず。22年度新車販売ランキング13位から、どれだけ順位を上げるのかに注目です。
また、気になるモデルは23年1月発売となった新型「プリウス」です。すでに発売から数カ月を過ぎているのに、街中で新型プリウスを見かける機会は、まだまだ少ないというのが実感です。これもコロナ禍による生産遅延の悪影響を強く受けているためで、新型プリウスの販売が伸びるのは、これからになるはず。
セレナと新型プリウスこそ、23年度に期待したいモデルであり、注目の存在といえるでしょう。
筆者プロフィール:鈴木ケンイチ
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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