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モスの黒毛和牛バーガーは「690円」でよかったのか “高級路線”に踏み切れないワケ:スピン経済の歩き方(1/6 ページ)
モスバーガーの業績が低迷している。原料の高騰に加えて、人件費や光熱費がかさんで、直近の数字は最終赤字に沈んだ。ピンチを乗り切るにはどうすればいいのか。
モスバーガーが苦戦している。
2023年3月期通期の営業利益が前期比98.8減の4100万円、最終赤字は3億1700万円となった。主な要因は、原料の高騰に加えて、人件費や光熱費がかさんだからだという。
専門家によれば、特に苦しめているのが、人件費だという。利用している人なら分かるが、モスでは注文を受けてから調理をして提供をする、という「手作り感」を強みとして打ち出している。他社よりも手間ヒマかけていることで、人件費が膨らんでいるというのだ。
ではモスバーガーは、どうすればこの苦境を脱することができるのか。
「安いニッポン」を置き去りに、世界中で食糧や原料を高値で買い漁る新興国も増えている中で、これから原料価格が下がっていくとは考えにくい。電気代やらも爆上がりしていくので、光熱費もさらに上がっていく。
人件費も圧縮しにくい。人手不足なので時給をケチったりすると、なかなかバイトが集まらないのだ。そういうときこそ、低賃金でもマジメに働く外国人労働者の活用だと思うかもしれないが、今や日本の低賃金は、ベトナムや中国の都市部の若者たちからそっぽ向かれる水準にきており、「日本離れ」も進んでいる。
現在のモスバーガーのクオリティーと価格を維持するためのコストカットは限界に近づいているのだ。
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