エンジン車の燃費は向上できるのか まだまだできることはある:高根英幸 「クルマのミライ」(3/6 ページ)
クルマの燃費性能は、この20年ほどで急速に向上した。「もう限界でしょ」と思われている人もいるかもしれないが、まだまだできることはある。例えば……。
渋滞を減らすことが燃費向上の近道
燃費を悪化させている大きな要因の一つとして、「渋滞」が挙げられる。であれば、できるだけ渋滞を避けるような使い方をするのが、燃費向上の近道だ。もっとも渋滞を避けて回り道をすれば、クルマが表示する燃費計の数字は良くなるが、走行距離が増えると燃料の消費量は増えるので限度はある。
また自分が渋滞にハマらなければ、その後続車両となるクルマも渋滞が少なくて済む。自分が渋滞の原因の1台にならないようにするのも、渋滞解消の考え方の一つなのだ。
とはいえ、渋滞を完全に避けて利用するのは不可能だ。であれば、渋滞を減らすための努力をドライバーが行わなければいけない。そのためには、車間距離を十分に確保することが重要だ。当たり前のことのように聞こえるかもしれないが、実際には車間距離が十分ではないクルマのほうが圧倒的に多い。
それは前走車ばかりを注視して運転しているために、速度感覚が麻痺しているドライバーが増えていることも大きな原因だろう。前走車とは相対速度がゼロに近いため、車間距離は縮まっていく。そして上り勾配で前走車が車速を低下させると、それ以上に車速を落とさねばならず、後続のクルマもどんどん車速が落ちて自然渋滞が発生してしまうのだ。
合流区間の先端でファスナー合流(1台ずつ交互に合流すること)をスムーズに行うためには、車間距離も重要だ。自分が安心したいからといって、早めに合流してしまうのは渋滞の原因となる。交通全体の流れを考えた行動ができていないのは、いかに自分本位の運転をしているか、の証明でもある。
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