ローカル5G「安全神話」に異議あり 広がる導入に潜む誤解とリスク:世界を読み解くニュース・サロン(2/3 ページ)
再びよく目にするようになった「5G」。今では一般ユーザーのスマホも5Gで通信できるのが当たり前になっているが、5Gの本当の恩恵を実感できない人が多いのではないだろうか。5Gの通信は、もっと小規模なエリアで効果的に利用されているのだ。
台湾のセキュリティ最前線
昨年末、筆者が西日本の半導体関連企業の経営者と会った際に、その経営者がローカル5Gに非常に興味をしていて話題に上ったことがある。さらに、工場内部で5Gを導入するとなると、ネットワークのサイバーセキュリティが心配であるとも語っていた。
実は最近、筆者は台湾を訪問し、サイバーセキュリティ関係者らから最近のセキュリティ事情について話を聞く機会があった。特に台湾は、隣国の中国が地政学的な脅威になっているため、いろいろな分野でのサイバーセキュリティ意識は高い。
そこでちょうど、世界でも珍しい、5Gに代表されるワイヤレスコミュニケーションのサイバーセキュリティを提供する企業「CTOne(シーティーワン)」のジェイソン・ファンCEOと話をすることができた。日本のセキュリティ企業・トレンドマイクロの子会社であるCTOneは、5Gをはじめとする次世代通信を安全に保つためのソリューションを提供する世界的なリーディングカンパニーだ。
ファンCEOは、「新しい機能やシステムを組み込める5Gネットワークのテクノロジーをローカル5Gとして企業などに導入する場合、5G専用のセキュリティ機能や、それらを既存のセキュリティ管理と融合させるための新たなサイバーセキュリティの構築も必要になります。私たちは献身的に研究を重ねてきたことで、CTOneのシステムでローカル5Gと、そこにつながる既存の環境との連携も意識しながら、企業内のネットワークをより安全に保つことができるようになりました」と話す。
CTOneのシステムは、施設内のローカル5G接続機器に同社が提供するSIMカードを使い、ローカル5Gネットワークを構築していく。そして全てのデバイスの個別情報や接続状況などを可視化して管理し、そこでセキュリティ上の異常が少しでも検知されれば、中央のコントロールから通信を遮断できる。リスクの拡大を防ぎ、異常に難なく対応できるようになる。
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