年間売上1億、ギョーザで起死回生の東スポ 次に狙う“鉱脈”とは?:世界を読み解くニュース・サロン(1/3 ページ)
購読者数の大幅減少が続くスポーツ紙。多くは一般紙の系列で、存続が危ういところまでは来ていない。後ろ盾がない「独立系」として奮闘する東スポが、起死回生の一手として打ち出したのが「ギョーザ」だった。
近年、日本のオールドメディアの苦戦が続いていることはよく知られている。特に新聞は購読者数の大幅減少が続いており、改善の見込みもなさそうだ。
日本新聞協会が発表した「新聞の発行部数と世帯数の推移」によれば、2022年10月の時点での一般紙の発行部数は約2869万部で、5年前から1000万部以上減少している。スポーツ紙も厳しい状況が続いており、22年10月の時点では約215万部で、5年前から120万部以上の減少となった。
ただほとんどのスポーツ紙は、一般紙の系列になっているために存続が危ぶまれるというところまでは来ていない。例えば、サンケイスポーツは産経新聞社が発行し、デイリースポーツは神戸新聞社が、東京中日スポーツは中日新聞東京本社が発行している。またスポーツ報知は読売新聞、日刊スポーツは朝日新聞、スポーツニッポンは毎日新聞の系列となっている。
一方、こうした後ろ盾がまったくないスポーツ紙もあるのをご存知だろうか。かつてセンセーショナルな記事で話題を振り撒き、「日付以外、正確な記事はない」とまで言われて愛されてきた「東京スポーツ(以下、東スポ)」だ。東スポの競馬やスポーツ記事は現在も需要があり、22年の公式サイトリニューアル以降もよく読まれているが、新聞の冬の時代にかなり厳しい戦いを強いられている。
事実、21年に東スポは約20億円の赤字を記録し、大規模リストラも敢行している。ただそんな状況で、東スポが生き残りをかけて新たなビジネスで健闘していることはあまり知られていない。後ろ盾となるメディアがない「独立系」として奮闘する東スポの試みはどんなものなのか。
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