コラム
「スマホ依存症」への警鐘はあまり意味がない、なるほどの理由:世界を読み解くニュース・サロン(1/3 ページ)
「スマホ依存」はしばしば話題になるテーマの一つだと思う。デジタルデトックスなどという言葉もあるが、筆者はそこまで大事にする必要はないのではないかと考えている。そのワケはというと……
2023年1月、読売新聞にこんな記事が掲載されていた。なんでも、平日の午前7時から東京都渋谷区にある寺院で、スマホなどのデジタル機器を手放して座禅を組んで過ごすというものだった。
いわゆる「デジタルデトックス」として、いっときもデジタル機器から逃れられない人たちに心の静寂を与えているようだ。記事では、この臨済宗大徳寺派香林院の住職が「普段、デジタル機器を使っている分、使わない時間をとることで本能的にバランスをとろうとしているのではないか」とコメントしている。
言うまでもなく、現在私たちはデジタル機器に囲まれて生活している。というより、デジタル機器なしでは生活しづらくなっているとさえ言える。特にビジネスパーソンは仕事にもならないだろう。
ただ個人で使うスマホなどはこれまでも「依存」が問題になってきた。しかも新型コロナウイルス禍での外出自粛などの影響で、その傾向はさらに強くなったと指摘されている。仕事でも学校でも、リモートでのコミュニケーションが前提になり、デジタル機器は必要不可欠となった。
そんな現状を受けてか、ここ最近「スマホ依存症」などの記事を頻繁にみるようになった。ただそんなに心配する必要はあるのだろうか。
関連記事
- 台湾の「海底ケーブル切断事件」は対岸の火事ではない 経済・ビジネスにどんな打撃が?
台湾メディアが、2月2日の夜に「台湾の本島と離島の馬祖列島を結ぶ通信用の海底ケーブルが切断された」と報じた。海底ケーブル切断は経済・ビジネスに多大な影響を与える可能性が高い。どういうことかというと…… - クックCEO、岸田総理に「iPhoneのサイドローディング問題」を直談判 なぜ日本の囲い込みに出たのか?
アップルのティム・クックCEOが2022年12月に来日した。「サイドローディング規制」について岸田総理に直談判したわけだが、どういった狙いがあるのだろうか? - 高まる「中国リスク」に日本はどう対処すべきか ジャック・マー氏の見せしめにビザ停止の追い打ち
1月7日、ジャック・マー氏が当局のプレッシャーによってアント・グループの支配権を手放したというニュースが飛び込んできた。1月10日には日本国民へのビザ発給が一時停止された。2023年も「中国リスク」は高まり続けるだろう。日本はビジネス相手として中国とどう付き合っていくべきか? - 定年退職後に嘱託社員として再雇用 賃金50%カットの妥当性は?
少子高齢化に伴い、高齢者活躍の土壌を整える必要性に迫られる日本。定年は60歳が一般的だが、65歳までの雇用維持、70歳までの就業機会の確保が努力義務となっている。定年退職後に嘱託社員として復帰した社員への賃金設定はいくらが妥当なのか? 社会保険労務士が解説。 - 中小企業の「賃上げしない」宣言 “踏み切らない”のには2つのワケがあった
インフレによる物価高騰が激しい昨今、大企業を中心に賃上げに踏み切るニュースが増えました。一方、中小企業は32%が賃上げは「実施しない・できない」と回答しています。「賃上げしない宣言」の裏にある2つの理由を解説します。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.