カシオの電卓パッケージ「プラ→紙」に なぜ国によってデザインが違うの? :経済の「雑学」(2/3 ページ)
カシオ計算機の電卓パッケージが「プラスチック→紙」に変わりました。SDGsの一環で紙を採用しましたが、海外はどうなっているのでしょうか? 欧州では3年前から始めていて、国によって違いがあるようです。
海外のパッケージデザイン
ところで、海外の電卓はどうなっているのかご存じでしょうか。先ほど「3年ほどの時間をかけて」という話を紹介しましたが、欧州では3年前に「プラ→紙」に変更しました。
取材をしていて、興味深く感じたことは「パッケージのデザインが国によって違う」こと。冒頭で日本のモノは「実寸サイズを印刷」と書きましたが、欧米ではどのような特徴があるのでしょうか。
フランスでは、学校の先生が「このモデルを買ってきて」と生徒に伝えるそうです。で、生徒はお店に足を運んで「〇〇というモデルの電卓をください」と注文する。こうした行動をするので、電卓のパッケージにはメイン機能を大きく表示しています。
英国では、カシオのシェアが9割ほどあるので、多くの消費者は使い慣れているそうです。パッケージには「UK’s No.1」という文言をプリントすることで、身近なブランドを手にとってもらいたい。デザインからそんな狙いがうかがえました。ちなみに、メイン機能を大きく表示していることは、フランスと同じですね。
米国でも、学校の先生が「電卓を買ってきて」と生徒に伝えるそうです。ただ、フランスでは「このモデルを」という話でしたが、米国では「この関数電卓を買ってきて」とカテゴリーで表現することが多いそうです。クルマで例えると、フランスは「レクサスかベンツにしてね」と言っているのに対し、米国は「高級車でね」といった表現で伝えています(考えてみると、フランスの例えは「ルノーかシトロエンにしてね」のほうがよいかもですね)。
あと、サイズを気にする人も多いとか。「米国の人って大きいモノが好きだからなあ」と思われたかもしれませんが、そういった話ではありません。この作業をするので、電卓のサイズはこのくらいかな……といった考えです。というわけで、パッケージにはきっちりサイズが書かれています。
関連記事
- なぜカシオの「余り計算機」は、いまの時代でも売れているのか
調剤薬局や物流会社の倉庫では、電卓で余りを計算することが頻繁にあり、効率化が求められていた。このようなニーズから生まれたのが、カシオ計算機の「余り計算電卓 MP-12R」だ。特定のユーザーを対象にした専門的な機能を搭載したニッチな電卓の、誕生までの歩みを追った。 - バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。 - スシローは「6700万円の損害賠償請求」を止めるべき、3つの理由
回転寿司チェーン「スシロー」を運営する「あきんどスシロー」が揺れている。備えつけの醤油の差し口や湯呑みを舐めまわしていた岐阜県の少年に対して、約6700万円の損害賠償を求めていることが明らかに。この対応は「吉」と出るのか、「凶」と出るのか。 - 取り壊された「中銀カプセルタワー」の行方は? 第1号が“動き”始めた
銀座、新橋、築地の中間ぐらいのところにあった「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。140個のカプセルからできていたが、昨年老朽化のために取り壊した。ただ、再生する動きもあって、全国各地でカプセルがよみがえろうとしている。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.