2015年7月27日以前の記事
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人的資本は状況が悪くても“あえて開示”すべき理由 「投資家の低評価」を恐れる企業の盲点

人的資本開示をするにあたって、現状を開示しても投資家にマイナス評価を付けられてしまうのではないか──。そんな不安を抱く担当者が多いようだ。できるだけ公開せずに他社の様子見に入るケースも少なくないが、投資家含む各ステークホルダーからの心証を悪化させかねない。どう対応すべきなのか。

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 企業における無形資産の価値は、年々増加している。中でも近年、注目度が高まったのが人的資本だ。有価証券報告書での開示が義務化されたこともあり、企業の成長に欠かせない重大な要素として、多くの企業が自社の人的施策や開示情報の見直しを図っている。

 開示の潮流が本格化する中「自社の現状をまとめて開示しても、投資家に評価してもらえる水準ではない」と悩む企業も少なくない。リクルートマネジメントソリューションズ(東京都港区)が実施した調査では、現状の情報整備に満足していないとした担当者のうち、33.3%が「(自社の)課題が多く、公開することに躊躇(ちゅうちょ)」していると回答した。

 現状を開示しても投資家にマイナス評価を付けられてしまうのではないか──。そんな担当者の不安が見て取れる。また、今後も毎年開示していくことから、結果が悪化した際にどう受け止められるかを不安に思う向きもあるようだ。

 「できるだけ公開せずに他社の様子を見て、競合他社が開示した時に必要に駆られて取り組み始めるケースはよくある」と、同社主任研究員の荒金泰史氏は話す。しかし、開示に消極的であること自体が、投資家を含む各ステークホルダーからの心証を悪化させかねない。

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