キングジムの筆箱「ポーズー」が売れている 試作品の“ブサカワ猫”にじわじわ:週末に「へえ」な話(1/5 ページ)
キングジムの「ポーズー」をご存じだろうか。「ぬいぐるみタイプ」のペンケースで、若い人を中心に人気を集めているのだ。開発を担当した人に完成までの話を聞いたところ、苦労があって……。
文具コーナーに足を運ぶと、たくさんのペンケースが並んでいる。中身が見えるモノであったり、タテにもヨコにも使えるモノだったり、たくさんのペンが入る大容量のモノであったり。このほかにもさまざまな種類がある中で、筆者が気になったのは「ぬいぐるみタイプ」である。
「いやいや、何を言っているのか、意味がわかんない」といった人もいると思うので、簡単に紹介しよう。ぬいぐるみタイプという名の通り、パッと見たところ「ぬいぐるみ」である。しかし、じっくり見ると、背中にファスナーが付いていて、そこからペンや消しゴムなどを取り出せる。動物は手を伸ばしていて、うつ伏せ状態で使うタイプが多い。年配の人には想像できないかもしれないが、いまの高校生や中学生の間でじわじわ広がりを見せているのだ。
とはいえ、現状はクラスに1〜2人が使っている程度。ニッチな市場ともいえるが、2022年6月に参入して、若い人を中心に話題を集めているシリーズがある。キングジムの「ポーズー」(当初は2475円、6月21日からは2750円)だ。
昨年、売り出したのは、ネコ、ライオン、トラ、パンダ、レッサーパンダの5種類。見た目のかわいらしさや機能性などが高く評価され、文房具屋さん大賞の筆箱賞で1位を手にした。初年度の売り上げ目標として2万5000個を掲げたところ、5月末時点で120%達成ペースで推移しているのだ。
ポーズーの特徴は、内臓された骨格パーツを動かすことで、好きな形にして使えること。手、足、背中などを曲げられるので、動物を座らせたり、机やパソコンに引っ掛けたり、スマホスタンドのように使ったり。本体にペンを15本ほど収納できるほか、チェーンが付いているのでカバンにくっつけて一緒に出かけることも可能である。
他社の「ぬいぐるみペンケース」を見ると、体の部位を自由に曲げることができないので、ポーズーがウケた理由はどうやらそこらへんにあるのだろう。それにしても、なぜキングジムはこのようなペンケースを開発したのだろうか。ちょい昔であれば、学校の先生から「教室にオモチャを持ち込むんじゃない!」と怒られ、取り上げられそうなアイテムである。
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