キングジムの筆箱「ポーズー」が売れている 試作品の“ブサカワ猫”にじわじわ:週末に「へえ」な話(2/5 ページ)
キングジムの「ポーズー」をご存じだろうか。「ぬいぐるみタイプ」のペンケースで、若い人を中心に人気を集めているのだ。開発を担当した人に完成までの話を聞いたところ、苦労があって……。
試作品の第一弾でつまづく
ぬいぐるみのペンケースを企画したのは、誰なのか。キングジムの広報に聞いたところ「実は新入社員(当時)の横山りかという者でして。新人研修のときに新商品の企画をプレゼンしてもらいました。そのときの企画がポーズーでして、それが商品化につながりました」という。
ふむふむ。やはりというか、若い人の発想で生まれたようである。横山さんに、企画したきっかけを聞いたところ、2つのことが気になって提案したという。1つめは、既存の商品はキャラ要素が強めであること。顔にリアルな要素を入れると、新たなファンが増えるのではないか。2つめは、寝そべっている商品が多いこと。好きな形にして使えるようにすれば、人気がでるのではないか。
このことを上司の前でプレゼンしたところ、ゴーサインが出たのだ。まるでシンデレラストーリーのように感じられたかもしれないが、とんとん拍子はここまでである。試作品の第一弾で、想定外のことでつまづいてしまったのだ。
キングジムではこれまでたくさんのペンケースを扱ってきたが、ぬいぐるみをつくったことはない。ノウハウがないので、新人の横山さんは誰に相談したらいいのかよく分からなかった。とりあえず、ネコの仕様書をつくって、試作品をつくってもらうことに。
筆者はその仕様書を見せてもらったところ、「かわいいネコが描かれているなあ」と感じた。数カ月前まで大学生だった人とは思えないほどのスキルの高さを感じたわけだが、できあがった試作品を見ると、数秒の間が生まれてしまった。なぜか。
顔つきがなんとも微妙で、一言で言うと「かわいくない」のである。どちらかというと、いじわるな顔をしているので、上司や同僚からも「大丈夫なのか? かわいくないぞ」といった声が飛び交っていたそうだ。
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