「ディズニーのチケット、1万円は高すぎる」という発想が日本を貧しくさせたワケ(前編):スピン経済の歩き方(2/5 ページ)
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの大人料金が大台を突破した。1日券の最高価格が1万円900円に。このニュースを受けて「混雑しているのに1万円は高い」といった声が出ているが……。
混雑しているのに1万円は高すぎる
そんなファストパスがなくなってしまった今、アトラクションに長時間並びたくない人は昨年5月に導入した有料サービス「ディズニー・プレミアアクセス」を利用しなくてはいけない。今夏には、一部アトラクションの待ち時間が短くなる無償パス「40周年記念プライオリティパス」が導入される予定だが、これは期間限定なので、いずれはおカネを払うしかない。つまり、「値上げ」だ。
そんなファストパス終了から約2週間後、今回の「1万円オーバー」の発表となった。ファンからすれば既に心の準備はできていたこともあって「ああ、やっぱりこっちも値上げするのね」という感じで、それほどショックを受けなかったというワケだ。
ただ、そこは平均給与が30年間上がっていない「安いニッポン」である。この値上げに猛反対している方も少なくない。そういう中でかなり多く目につくのが「混雑しているのに1万円は高すぎる」という意見だ。
例えば、昔のディズニーランドはそんなに混んでいなくて、1日たっぷり遊べて3900円(開園当初)で、良い思い出をたくさんつくれた。そのような主張をする人たちは、今は園内が異常なほど混雑していて、アトラクションもそんなに乗れないのに値段だけが高いと文句を言っている。
また、海外のディズニーと比べて「割高」だと批判する人も多い。海外の施設は広大で、アトラクションも並ばずに乗れるので、入場料が高くても納得だが、日本のディズニーは快適ではないので、1万円の価値もないというのである。
関連記事
- スシローは「6700万円の損害賠償請求」を止めるべき、3つの理由
回転寿司チェーン「スシロー」を運営する「あきんどスシロー」が揺れている。備えつけの醤油の差し口や湯呑みを舐めまわしていた岐阜県の少年に対して、約6700万円の損害賠償を求めていることが明らかに。この対応は「吉」と出るのか、「凶」と出るのか。 - バーガーキングがまたやらかした なぜマクドナルドを“イジる”のか
バーガーキングがまたやらからしている。広告を使って、マクドナルドをイジっているのだ。過去をさかのぼると、バーガーキングは絶対王者マックを何度もイジっているわけだが、なぜこのような行動をとるのか。海外に目を向けても同じようなことをしていて……。 - ちょっと前までブームだったのに、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか
どうやら「高級食パン」のブームが終わるようだ。最近、さまざまなメディアがこのように報じているわけだが、なぜ「高級食パン」への風当たりは強いのか。その背景には、2つの理由があって……。 - 丸亀製麺は“讃岐うどん”の看板を下ろしたほうがいい、これだけの理由
またまた炎上した。丸亀製麺が讃岐うどんの本場・丸亀市と全く関係がないことである。このネタは何度も繰り返しているが、運営元のトリドールホールディングスはどのように考えているのだろうか。筆者の窪田氏は「讃岐うどんの看板を下ろしたほうがいい」という。なぜなら……。 - 「乃が美」と「いきなり!ステーキ」の共通点は何か 両社がハマった沼
「乃が美」と「いきなり!ステーキ」が苦戦している。贅沢品を扱う両社はなぜ低迷しているのか。共通点を探してみると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.