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「ディズニーのチケット、1万円は高すぎる」という発想が日本を貧しくさせたワケ(前編):スピン経済の歩き方(3/5 ページ)
東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの大人料金が大台を突破した。1日券の最高価格が1万円900円に。このニュースを受けて「混雑しているのに1万円は高い」といった声が出ているが……。
シンプルに「来場者数が少なかった」
気持ちは分かるが、こういう発想の人が多いので、日本が貧しくなった部分もある。人気のある商品、サービス、施設は価格が上がっていくのが世界の常識だが、日本では「安売り」を求める人が多い。
それはつまり、「価値の高いもの安く提供しろ」と言っていることと同じなので、企業は利益を確保するために労働者を安くこき使う。「もっと安く」と叫びながら、国民みんなで低賃金の沼にハマっているのだ。しかも、「混んでいるから安くしろ」という主張は冷静に考えると、かなり無理筋というか、モンスタークレーマー的な発想である。
まず、「昔のディズニーはよかった」というのは、日本人が大好きな「昭和はいい時代だった」「高度経済成長期の日本はみんな希望を抱いてキラキラしていた」なんてノスタルジックな感傷にすぎない。
昔のディズニーランドが快適に過ごせたのは、今よりもテーマパークの運営術が優れていたわけではない。スタッフたちが「おもてなしの精神」を大事にしていたわけでもない。ごくシンプルに「来場者数が少なかった」ということに尽きる。
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