いまだにChatGPTの禁止を議論している組織が知っておくべき、AI開発競争の未来(4/4 ページ)
ChatGPTのリリースから半年が経過。AI関連サービスの拡がりや進化している。ただ、生成系AIがあまりに急速に普及した関係で、サービスの倫理や規制の議論が追いついておらず、ネガティブな印象を受けている方も少なくない。
AIの登場は、火や電気の発明に近い?
それでは、私たちはこれからAIにどのように向き合うべきなのでしょうか? 筆者もさまざまな有識者と議論をしてきましたが、その中で印象深かったのは多くの有識者が、AIの発明を人類の歴史上の「火」の発見や「電気」の発明に例えている点です。
(参考:「AI原始時代」に活用しないともったいない。Notionとnoteが考えるAIがビジネスに与える影響)
火も電気も使い方を間違えればケガをしますし、人間を死に至らしめてしまうこともある危険な技術です。
ただ、人類はその火や電気の抑え方や管理の仕方を学びながら、文明を進化させてきました。
現在急速に拡がりを見せているAI技術の民主化も、おそらく人類の歴史上、火の発見や電気の発明に近い、大きなインパクトを与える出来事なのは間違いありません。
一方で、短期的なリスクだけを重くみて、社員全員の利用を禁止すると、自社以外の企業がAIの活用法を学んでいる間に、自分達だけがその進化から取り残されるリスクと直面することになります。
もし、皆さんの会社が短期的視点だけで、ChatGPTの利用の是非を議論しているようなら、まずは一歩引いて、AIが自分達の仕事を将来的にどのように変えていく可能性があるのか、真剣に議論することをお勧めしたいと思います。
書き手:徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
noteプロデューサー/ブロガー
新卒で入社したNTTを若気の至りで飛び出して、仕事が上手くいかずに路頭に迷いかけたところ、ブログとSNSのおかげで人生が救われる。その際の経験を元に、書籍「普通の人のためのSNSの教科書」(朝日新聞出版)を出版。noteやSNSを活用したビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている。
Twitter:@tokuriki
公式サイト:徳力基彦(tokuriki)
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