実写版『ワンピース』は、漫画の実写化における「ドラゴンボールの悪夢」を振り払うことができるか(3/3 ページ)
実写版『ONE PIECE』のティーザー映像が公開され、世界中で大きな注目を集めている。これまで失敗が散見された漫画の実写化での悪夢を払拭できるか。
漫画やアニメと、実写版は違う作品として受け止めるべき?
もちろん、漫画『ONE PIECE』のファンからすると、当然漫画やアニメと実写はキャラクターが実際の人間という意味で、表情や動作などがまったく異なる形となり、違和感を覚える方は少なくないと思います。
ただ、現在世界中にファンをひろげ、映画の興行収入でトップランクに入る作品を連発しているマーベルの『アベンジャーズ』などの作品群も、もともとは米国の漫画を元にした作品が題材で、映画化に対してコアファンから否定的な意見もあった過程を乗り越えて現在の地位を築いています。
尾田栄一郎さんのコメントにもあるように、実写版『ONE PIECE』には相当な制作費が投入されているそうで、予告編もそれが十分伝わってくる作りになっています。
実写版『ONE PIECE』がNetflixを通じて世界に配信されることで、漫画やアニメにまったく興味を持たなかった層の人たちが、『ONE PIECE』の世界に触れてファンになってくれる可能性は十分あります。
実写版『ONE PIECE』が成功すれば、それがきっかけになって、日本の漫画コンテンツが、「マーベル」のように世界中にファンをもつ映像コンテンツ群になる可能性もあるはずです。
ある意味、私たち漫画やアニメのファンは、実写版『ONE PIECE』は世界の実写ファン向けの別作品として受け止めるべきなのかもしれません。
とにもかくにも、8月31日の配信スタートをドキドキしながら待ちたいと思います。
書き手:徳力 基彦(とくりき・もとひこ)
noteプロデューサー/ブロガー
新卒で入社したNTTを若気の至りで飛び出して、仕事が上手くいかずに路頭に迷いかけたところ、ブログとSNSのおかげで人生が救われる。その際の経験を元に、書籍「普通の人のためのSNSの教科書」(朝日新聞出版)を出版。noteやSNSを活用したビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている。
Twitter:@tokuriki
公式サイト:徳力基彦(tokuriki)
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