「目立つので付けづらい」から2年 暑さ対策の新定番「ネッククーラー」が進化:猛暑に商機 「ひんやりグッズ」の狙い(2/2 ページ)
7月10日に都内で今年初の熱中症警戒アラートが発表されるなど、早くも猛暑が本格化している。日々の暑さ対策が必須となる中、日傘や手持ち扇風機などに加え、定番商品になりつつあるのが「ネッククーラー」だ。
「目立ちたくない」「冷たくしたい」を両立
加えて、ネッククーラーに対して「目立つので付けづらい」「もっと目立たない商品が欲しい」という声も寄せられていたという。こうした声を受けて今年4月、同社は開発に約2年かけた新商品「セナクール」(7980円)を発売した。
従来のネッククーラーと異なり、セナクールは首回りのアーム部分が細く、目立たなくなっている。アームは柔らかい材質を使用しているため首回りは28〜50センチまで対応可能で、男女兼用で使用できる。
肝心の冷却機能は首周りではなく、背中部分に集約。服の中に入れて使用することを想定し、幅60×高さ129×奥行き28ミリメートルのコンパクトサイズにした。アームの形状にこだわり、体にしっかり密着するよう設計している。
背中部分には冷却プレートの他、2カ所の風の吹き出し口を設けている。背中は首回りと異なり、リュックや衣類などで蒸れやすい特徴がある。そのためただ冷やすだけでなく、背中の蒸れを本体の下部にある吸気口が吸い出して排出しつつ、送風口から風を送ることでより涼しさを感じられるようにした。フル充電で、オン60秒・オフ180秒を繰り返すエコモードだと約2時間、オンを維持するノーマルモードだと約1時間使うことができる。
シリーズ累計110万台を売り上げ、同社の夏の主力商品となっているネッククーラー。近年は同様の商品が多く販売されているが、放熱性能に加えて安全性の高さが大きな差別化ポイントだという。
ネッククーラーは、いうなればバッテリーを首にかけているので、急な発熱や爆発などの危険性がゼロというわけではない。「小型化・軽量化はもちろんですが、バッテリーはあらゆる衝撃から守るための仕様は必須です。こうしてネッククーラーで培った技術が、セナクールにもしっかり反映されています」(えきさん)
セナクールの販売台数は1万台を突破し、初回出荷分は完売。購入者からは「小さいので気軽に付けられる」「エコモードで使っていても十分効果が感じられる」といった声が寄せられており、追加分の量産を急いでいるという。猛暑の時期が迫る中、ネッククーラーとセナクールは好調を維持できるか。
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