「超冷却Tシャツ」が人気 “ひんやり”アイテムにどんな技術が詰まっているのか:猛暑に商機 「ひんやりグッズ」の狙い(2/5 ページ)
クラウドファンディングを実施中の「超冷却Tシャツ」が1600万円を超える応援購入額を集め、ヒットしている。4月には同じ素材を使用した「超冷却ブランケット」もプロジェクトを実施しており、4000万円を超える応援購入額が集まった。「マイナス15度の究極冷却テクノロジー」が使われているというが、一体どんな技術なのか。
冷感が高い繊維に後加工で「冷却効果」をプラス
大ヒットした「超冷却ブランケット」と現在ヒット中の「超冷却Tシャツ」は、同じ素材を使用している。鈴木氏が明かした冷たくなる秘密は、「特殊な糸を使用」「編み立ての手法」「後加工」の3つだ。
糸の中に空間がある接触冷感性にすぐれたナイロンに吸水拡散性の高いコットンを配合し、通気性を持たせるように編み立てている。さらに、カバロステクノロジーで熱や体の水分に反応して冷却効果を発揮する成分を後加工する。
鈴木氏いわく、生地が汗を吸収し、拡散することで瞬時に体の深部体温を冷やす構造なのだとか。
生地には「抗菌・防臭」「消臭」「吸水拡散」「毛玉防止」「遮熱」といった後加工も施されており、冷たいだけでなく、汗をかいてもにおいづらい、毛玉ができにくいといったメリットもある。
実際の使用感を尋ねると、「超冷却ブランケット」は就寝から1時間後にエアコンが切れるようタイマーをかけておくと、冷たい状態が持続しやすいそう。28度前後であっても、エアコンをつけっぱなしだと寒く感じるほどの冷感具合だという。
「超冷却Tシャツ」においては、気温が30〜35度、湿度60%前後と野外のような蒸し暑い状態でも冷たさを感じられ、汗のベタつきやニオイなどを軽減できるようにしている。遮熱機能により、太陽の光を反射して洋服内の温度上昇も抑えるという。一方で、28度前後のエアコンが付いた室内にいても心地よい冷たさが続くよう調整されている。
要は、不快感のある日本の夏に、エアコンの使用を控えめにしても快適に過ごせるような構造にしている。クラウドファンディングでの購入者は30〜50代の男女が中心で、ブランケットは複数枚のセットを購入する人が多かった。ブランケットとTシャツの両方を購入する人も目立つそうだ。
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