街で見かける「生搾りオレンジジュース自販機」 どういった仕組みなの? 運営元に聞いた:経済の「雑学」(2/5 ページ)
SNSで「生搾りオレンジジュース自販機」が話題になっている。約45秒で搾りたてのオレンジジュースを購入でき、1杯の価格は350〜500円。4月にシンガポールから日本に上陸したアイジュース社に「生搾りオレンジジュース自販機」の戦略を聞いた。
1杯にオレンジ4個を使用、350円で販売
アイジュース社が展開するアイジュースは、4個のオレンジを使った生搾りジュースを1杯350円(280ミリリットル)で販売している。オレンジをカットして絞るまでにかかる時間は約45秒で、24時間いつでも購入できる。
実際に飲んでみると、オレンジの自然な甘みや酸味が感じられ、粒感もありフレッシュ。農薬や添加物、砂糖を使っていないので、健康志向の人にも喜ばれるかもしれない。季節によってオレンジの品種が異なり、年間で味の違いが楽しめる。
日本ではフィードミーオレンジが21年から先んじて展開しているが、実は使われているマシーンはアイジュース社が開発したもの。ミー・グループ・ジャパンはアイジュース社からマシーンを購入し、自社で運営しているのだ。
フィードミーオレンジは1杯200ミリリットルを500円で販売しており、アイジュースよりも量が少なく高価格だ。これはオレンジの仕入れ方法や人件費の違いだろうとアイジュース社の営業課長、守木彬人氏は指摘する。
「当社では米国のカリフォルニアとオーストラリアに契約農家があり、代理店を通さず直接オレンジを輸入しています。加えて、人件費を極力減らせるようオペレーションを自動化しており、これらが低価格で提供できる理由です。本社があるシンガポールでは、日本円に換算すると1杯約200円で提供しています」(守木氏)
気軽に飲める大衆向けのジュースとして展開したい狙いから、日本でも低価格で販売しているそうだ。小さな子どもを含む若年層をメインターゲットと据えているが、実際はもう少し広く狙えるだろうと守木氏。
「エリアによりますが、例えば大手町駅直結の商業施設『OOTEMORI』内のアイジュースは、男女関係なく幅広い年代の方に利用されています。飲み会帰りだと思われるビジネスパーソンが購入するところも何度か見かけました」(守木氏)
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