ヒットした大作『FF16』 厳しい意見が目立つ なぜ(4/4 ページ)
人気ゲーム『ファイナルファンタジー16』(FF16)の発売から1カ月が経過。世界出荷数は300万本と結果は出したものの、一部では売れ行きが低調という報道も。なぜ厳しい目で見られるのか。背景を考えてる。
「批判のための批判」をどうするか
それとは別にSNSで展開される批判について、考える時期に来ているのかもしれません。遊ぶ側は批判も含めて好きに発言しています。そうであるなら、作り手側も、ネットの意見をくみ取るかの選択は自由であり、極端に言えば耳を傾けないこともあっても良いと思うのです。コンテンツ制作は微妙な匙加減が必要とされることですし、後々に評価が変わることもありえるからです。
ゲームソフトはその性質上、実際に発売してみないと売れるかわからない面があるのですが、看板の大作ゲームの開発費は巨額で(数十億円は当たり前)、失敗が許されない事情があります。
そして繰り返しになりますが、どんな人気作も、何かしらの批判があります。人気マンガ「鬼滅の刃」の最終回でも、一部から批判がありました。そして大人気の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』でも、「前作のマップの使いまわし」という指摘もありました。その気になれば、何でも批判できるのです。
FF16は、初心者にも配慮していて、しっかり遊べるゲームでした。ネットの意見も多様で、中には前向きで面白い批評もありますが、残念ながら一部にフォーカスしてあげ足を取ったり、ネット受けを優先するような「批判のための批判」もありました。そうした一部の声が、コンテンツに良い効果を与えるかといえば怪しいでしょう。
来年、FF16が宝塚でミュージカルになることが発表されたように、FF16というコンテンツがより多くの人に触れられ、楽しむ機会が増えればと願っています。
書き手:河村 鳴紘(かわむら・めいこう)
ゲーム、アニメ、マンガなどを主戦場にするフリーランスのサブカルライター。ヤフーオーサー、マンガ大賞選考員。メディア所属時には、決算会見や各発表会に参加し、独自記事なども執筆。20年以上ゲーム業界を中心に取材している。2020年5月、「『ドラゴンクエスト』大ヒット連発なぜ? 30年前の伝説の熱狂」でヤフーニュース個人の記事を顕彰するMVAを受賞した。「文春オンライン」や「Number Web」(ともに文藝春秋社)などでも記事を執筆。静岡放送などでラジオに出演することも。
ヤフーニュース個人:「河村鳴紘のエンタメ考察記」
Twitter:@kawamurameikou
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