何味か分からない「マッチ」が、発売から27年経っても売れているワケ:高校生にササった(2/4 ページ)
1996年に発売され、ロングセラー商品となっている大塚食品の「ビタミン炭酸MATCH(マッチ)」。あえて「何味」かを明確にうたっていないが、高校生を中心によく売れているという。販売戦略に迫ったところ……。
売れるきっかけは「高校生」への絞り込み
マッチは「ゴクゴク飲める炭酸飲料」をコンセプトに、開発がスタートした。炭酸の配合にこだわり何度も試作を重ねた結果、現在の微炭酸にいきついたという。炭酸を最も好むのは若年層ということで、1996年の発売当初から「若者」や「中高生」という言葉を使って、若年層にアプローチしてきた。
2009年頃からはメインターゲットを「高校生」に絞って、コミュニケーションを開始。旬のタレントを起用して高校を舞台にしたテレビCMを放映したり、キャッチコピーに「青春」といった言葉を用いたりして、ターゲット層の支持を広げてきた。
運動中や運動後など動いたタイミングでゴクゴク飲める炭酸ドリンクとして設計しており、実際に飲まれているシーンもそれに近いことが分かった。例えば、高校生なら部活動後の水分補給として好まれていた。そこで、テレビCMに部活動のシーンを盛り込むなどして「シーン訴求」にも注力してきた。
今年の4月と6月にXで実施したキャンペーンでも、飲用シーンを意識したキャッチコピー「おつかれさマッチ」が使われている。運動後や疲れたタイミングなどにマッチを飲んで、疲れを取ってほしい狙いからだ。
本キャンペーンでは若年層に人気のあるアイドル、影山優佳(日向坂46)さんを起用し、高校生活の日常を切り取ったWeb動画を多数制作。それを活用して2度のキャンペーンを実施した。
4月に実施した「おつかれさマッチタイムリープキャンペーン」では、マッチの公式Xアカウントをフォロー&対象ツイートをリツイートすると、オートリプライで12種類の動画がランダムに届く仕様とした。7月末時点で1.7万件リツイートされている。
「動画には、当たりとハズレがあります。出演者の男子高校生が、影山さんから『おつかれさマッチ』という言葉とマッチをもらえたら当たり、もらえなければハズレです。動画の種類が多いので、何度もトライしてもらえるメリットがあり拡散につながったと思います」
6月には「おつかれさマッチ大賞」と名付けて、再びキャンペーンを実施。マッチの公式Xアカウントをフォロー&対象ツイートを引用して、影山さんに「おつかれさマッチ」とねぎらってほしい内容と指定ハッシュタグを投稿する仕様だ。7月末時点で7000件以上の引用ツイートがあり、2度のキャンペーンが認知や購買の拡大につながったという。
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