何味か分からない「マッチ」が、発売から27年経っても売れているワケ:高校生にササった(4/4 ページ)
1996年に発売され、ロングセラー商品となっている大塚食品の「ビタミン炭酸MATCH(マッチ)」。あえて「何味」かを明確にうたっていないが、高校生を中心によく売れているという。販売戦略に迫ったところ……。
「マッチって何?」今でも疑問はある
発売してから27年の間に多少の上下はあったが、コロナ禍前までは順調に売り上げを伸ばしてきたという。20年から22年は飲料業界全体の縮小に伴って、マッチも売り上げが降下したが、23年に入って再び伸びてきたところだ。
メインターゲットは高校生だが、実際の購買層には、かつてマッチを飲んでいた30〜40代も多く含まれるという。マッチの発売当時に大人になっていた50〜60代は、ほぼ購入していないようだ。
最後に、ロングセラーとなったいまの課題を尋ねた。
「あまり機能性を大々的にうたっていないので、消費者視点での競合は炭酸飲料だと捉えています。競合が新たな商品を多く出しているなか、いかにブランドの鮮度を上げていくかは以前からの課題です。つまり、新商品の模索を続ける必要があります。
また、ブランドが長寿になるほどユーザー層が高齢化していく一面も。今後の成長は『いかに若年層の支持を得られるか』が肝かなと。SNSなどを活用しながら、高校生との絆をつなぎ続けていくことも課題です。
さらに、一定の認知を得られているといっても『マッチって何?』という根本的な疑問を持つ方はまだまだいます。『味が分からないから買わない』という層を取り込むためにも、実際に飲んでいただく場所をつくりたいですね」
長い年月をかけて、高校生を中心とした若年層の日常に溶け込んできたマッチ。味が分かりづらい商品でありながらロングセラーとなっているのは、ターゲットを絞り込んだブレないコミュニケーション、話題性のある新商品の発売といった工夫を重ね、受け入れられてきたからだろう。
写真提供:大塚食品
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