ビッグモーター事件から“無法な人事処遇”を検証してみた:「お前はクビだ!」はアリか(1/5 ページ)
数々の違法が疑われ、その企業体質に厳しい目が向けられているビッグモーター。人事的な視点で検証すべきではないかと思い、書いてみた。
著者プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた):
株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。
・すべて悪の権化、ビッグモーターのせい……?
何一つ擁護できる点はありませんが、その実態にはかなり前から問題提起されていたにもかかわらず、沈黙を続けてきた大手マスコミまで一斉にビッグモーター叩き一色になりました。ただ、どれだけ違法行為があろうと、極悪人であろうと、「すべて悪い」という思考停止批判ではなく、検証することから学べるものはあると考えます。
ここ数年、上場企業・巨大官庁から中小企業まで、業界や規模を問わずハラスメント研修の依頼をいただくことが激増しました。最近のビッグモーター事件のおかげで、ハラスメント研修のつかみはバッチリ。皆さん、非常に高い関心をもって積極的に研修に参加していただけていると感じます。
一方で、ではビッグモーターの何が問題なのかという問いについて、明確な認識を持つ方は決して多くはありません。他社のことなので、知らないこと自体何も問題はないのですが、せっかくコンプライアンスやハラスメントに関心をもっているなら、こんなリアルでフレッシュでショーストッパーな(←何言ってんだか?)トピックはないと思い、必ず「人事・コンプライアンス的事件考察」を述べています。
「すべては悪の権化である会社と社長の責任」で一括りにしてしまっては、せっかくの学びの機会を失います。
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