コラム
ビッグモーター事件から“無法な人事処遇”を検証してみた:「お前はクビだ!」はアリか(2/5 ページ)
数々の違法が疑われ、その企業体質に厳しい目が向けられているビッグモーター。人事的な視点で検証すべきではないかと思い、書いてみた。
・批判すべき点と批判すべきではない点
危機管理において最悪な組織があります。伝統的巨大組織・大企業や官庁など、目的のために危機対応があるのではなく、危機対応マニュアル実施のために危機対応してしまう組織です。最悪なのは今、ここで起きている危機のさなかに、対応より原因究明や責任追及を始めてしまう愚かな担当者が責任者にいる組織です。
そのような目的意識の無さは論外なのですが、大きくて形骸化が進んだ組織においては、実際にきわめてよくあることでもあります。創業社長がすべて悪であり、悪いのも全部創業社長父子のせいと矮小化して終わるのではなく、「何が問題なのか」を検証することは自らの教訓として生かすことは、非常に有意義なことです。
自動車関係や保険関係の法律は私の専門ではないので、報道ベース以上のことは知りませんし、何より判断できません。一方、創業社長を頂点とする強権独裁的組織体制と、特に批判が集まっている創業社長の長男による傍若無人な人事については専門領域なので取り上げたいと思います。
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