コラム
なぜ、日本企業の営業組織は「AI」と「データ」を正しく使えないのか?:AIはまだ営業を代替できない(1/3 ページ)
なぜ日本企業の営業組織は「AI」と「データ」を正しく使えないのか? 効果的な活用を阻む日本企業特有の課題と、解決策を前後編にわけて解説していきます。
前回は、米国で話題になっている「営業マネジャー不要論」を例に、AIが営業の仕事の一部を代替しはじめていることと、AI学習に必須であるデータの重要性について解説しました。第2回となる今回は「なぜ、日本企業はAIとデータを正しく使えないのか」というテーマを、営業組織を例に解説していきます。
日本ではテクノロジーを積極活用するIT系スタートアップを中心に、CRMやMAツールなどのセールステックの浸透が進んでいます。また大企業においては、システムや保有するデータの規模感から、ツールの有効活用に至るまでの道のりが長くなる傾向がある一方で、全社的なデジタル化推進の優先順位が高いことから、大規模な設備投資が行われています。
セールステックを積極的に導入する企業では、データが蓄積され、AI活用に使用できる資産をすでに持っていると考えられがちです。しかしこのような企業こそ、AIの学習に「使えない」データを蓄積してしまっている可能性が高いといえます。なぜ使えないデータばかりがたまってしまうのでしょうか。
その理由を、グーグルジャパンで営業統括部長、freeeで営業統括役員を歴任し、現在はMagic Momentの代表を務める村尾祐弥が解説します。
多くの営業組織が抱える「データの質」問題
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