「上司を自分で選べる」制度導入の3つの効果とは:ヒット記事ダイジェスト
もしも相性のいい上司を自分で選べるとしたら――。2023年上半期にITmedia ビジネスオンラインで反響の大きかった記事「『上司を選べる制度』導入でどんな効果が? 社長も“想定外”だった職場の変化」をダイジェストで紹介します。
もしも相性のいい上司を自分で選べるとしたら――。
そんな“淡い希望”を抱いたことがあるビジネスパーソンは、多いのではないか。ある民間企業の調査では、会社員の79%が「上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがある」と回答しており、上司との関係は、ビジネスパーソンにとって大きな悩みの種だ。
そんな夢のような「上司を選べる」制度を実現した企業が北海道にある。一体、どのような経緯から整備に至ったのか。実際にどんな効果があったのか。
今回は、2023年上半期にITmedia ビジネスオンラインで反響の大きかった記事「『上司を選べる制度』導入でどんな効果が? 社長も“想定外”だった職場の変化」をダイジェストで紹介する。
ある若手社員の離職
札幌市で建築物の構造設計などを手掛ける「さくら構造」が「上司選択制度」を導入したのは2019年。きっかけは「上司との相性が合わない」という理由で1人の若手社員が離職したことだった。
同じような離職を再発させるわけにはいかない――。同社の田中真一社長は考えた結果、各上司が束ねるチームを部下が自由に移動できる制度を思いついた。
同社は設計担当の社員約100人が6つの班に分かれ、それぞれを班長(上司)が率いる。希望の班を選べられたら、部下は苦手な上司と距離が置け、会社も社員の離職を防ぐことができる。「双方にとって良い仕組み」だと田中社長は考えた。
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離職率、業績、社員の意識……表れた「3つの変化」
効果は離職率の低下や売上高の増加という形で、数字に如実に現れた。それにとどまらず、上司と部下の双方にも意識の変化が見られた。
上司は、部下が上司選びの参考にする社内用資料「班長活用マニュアル」に、業務上の得意・不得意分野をそれぞれ開示。「不得意な分野も開示することで、部下の期待に応えようと無理に背伸びする必要がなくなり、不足部分を補ってもらえるようになった」(班長の男性社員)
部下も自身で上司を選べるようになったことで「自分が選んだという自覚や仕事に対する責任をより強く持つようになった」(部下の男性社員)という。
「上司を選べる」という制度が企業にうまくマッチするかどうかは、職種や組織形態によっても変わってくるだろう。とはいえ、社員の定着という観点から、多くの企業にとって参考になる点もありそうだ。
ITmedia ビジネスオンラインの記事本編では、制度導入の具体的なプロセスや、導入で見えてきた職場の変化なども詳しく紹介している。
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