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「週休3日」の前に……「消えている有給」こそ問題視すべき理由:働き方の見取り図(1/5 ページ)
政府は6月に発表した骨太方針で「選択的週休3日制度の普及に取り組む」と発表した。週休3日制の導入を表明する企業も出てきている。しかし、週休3日制は、本当に望ましい休み方だと言えるのか。
「週5日も働けない」「休みは木曜日がいいかも」――昨今、ネット上には「週休3日制」を望む声が多数見受けられます。政府が6月に発表した骨太方針に「選択的週休3日制度」の普及に取り組む旨が記されていたことが発端です。
ここ数年の推移を見ても、週休3日制を望む声は増える傾向にあります。Indeed Japanの調査では、求職者が「週休3日」と検索した割合は2019年1月から23年5月にかけて1.8倍に増加しています。
かねて、日本人の働き過ぎは問題視され続けてきました。19年から順次施行されている働き方改革関連法では、有給休暇の取得促進義務化や残業時間の上限規制など、休みを増やして仕事の時間を減らすための施策が取られています。
こうした世の中の動きを受けて、ヤフーや佐川急便、ファーストリテイリング、塩野義製薬、アクセンチュアなど、そうそうたる企業が週休3日制の導入を表明しています。
しかし、週休3日制は、本当に望ましい休み方なのでしょうか。
自由な時間は増えるけれど……
週5日勤務で毎日を全力で過ごしていると、木曜日辺りにはバテてきて「金曜日が休みだったらなあ」とボヤきたくなります。そこに週休3日制の話を聞くと、魅力を感じるのは当然です。
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