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「上司を選べる制度」導入でどんな効果が? 社長も“想定外”だった職場の変化:「上司ガチャ」撤廃(1/4 ページ)
札幌市のある企業は2019年から、部下が好きな上司を選べる「上司選択制度」を導入した。その結果、離職率の低下だけでなく、社長自身も思いもしなかった効果が職場に生まれたという。一体、どんな変化があったのか――。
職場で上司と相性が合わず、苦労した経験があるビジネスパーソンは多いのではないか。配属後に上司がランダムに振り分けられる「上司ガチャ」という言葉も存在し、上司との相性が仕事のパフォーマンスに「影響する」と考える人が9割に上るとの調査結果もある。
札幌市のある企業は2019年から、部下が好きな上司を選べる「上司選択制度」を導入した。その結果、離職率の低下だけでなく、社長自身も想定外の効果が職場に生まれたという。一体、どんな変化があったのか――。
「上司選択制度」を導入したのは、06年に設立し建築物の構造設計や耐震診断・耐震補強などを手掛ける「さくら構造」。きっかけは、導入1年前の18年、1人の若手社員が離職したことだった。
「本人に話を聞くと、上司が怖くて相性が合わないというのが理由でした。仕事が嫌いというわけではなく、上司との相性が原因で辞めるのは、もったいないと思うと同時に申し訳ない気持ちになりました」
同社の田中真一社長は当時をこう振り返る。
社長も「思いもしなかった効果」とは?
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