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おせちの「数の子、いくら、サーモン」はどうなる? 百貨店がロシア産の扱いに苦慮 でも「使わないと成立しない」一部で広告掲載NGも(1/3 ページ)

「おせち料理」の予約商戦が本格化する中、ウクライナ戦争の影響でロシア産食材を使った商品の場合、広告掲載NGになるケースが発生しているという。ただ、「使わないと商品が成立しない」として、百貨店側が対応に苦慮している。

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 各百貨店で正月の「おせち料理」の予約商戦がいよいよ本格化する。各社が特色ある商品を展開する中、不透明感が続くウクライナ情勢が、大丸松坂屋百貨店のおせちに暗い影を落としている。同社担当者によると、ロシア産の食材を使った商品の場合、広告掲載NGになるケースがあるという。ただ、「使わないと商品が成立しない」こともあり、百貨店は対応に苦慮している。

(関連記事:「冷凍おせち」強化で“アウェー”首都圏取りなるか 「大丸・松坂屋」正月商戦の今

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おせち料理のイメージ(提供:ゲッティイメージズ)

 報道陣向けの説明会で、同社のおせちのマーケティング担当者が明らかにした。特に影響があるのが、数の子、いくら、サーモンだという。原材料価格の高騰が続き、あらゆる商品の値上げが相次いでいる上、予約販売のおせちでは大量生産とともに品質の安定も求められることから「北海道など国内産では代替が難しい」。担当者は実情をこう明かす。

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数の子もおせち料理の定番(提供:ゲッティイメージズ)
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有名料理研究家が監修していることもあり、大丸・松坂屋で5年連続売り上げ1位の「和風三段」(2万9800円)。一部に数の子を使用している

 こうした背景から同社は「ロシア産食材を使用する」と明言している。だが、イメージの悪化を危惧し、ロシア産食材を使った広告の掲載が拒否されるケースも一部で発生しているといい、販売促進の場面で支障が出ている。NGになった場合は、ロシア産食材を使用していない商品の画像に差し替えるなどして対応している。

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大丸・松坂屋が客単価アップの一環で、おせち料理と併売している「丹波味わい どりの 京うどん鍋」(1万1880円)。広告掲載NGの場合はロシア産食材を使用していない商品で代替するという
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