銀座→郊外の移転で大成功 92歳の「最強の鉄人」道場六三郎氏はいま:あの話題は今(4/4 ページ)
「最強の鉄人」道場六三郎氏が、郊外で新たなチャレンジを続けている。銀座から郊外の庶民派スーパー横に移転した「懐食みちば」、さらには焼肉店「肉匠みちば」をオープンし、連日客足が絶えない。
鉄人たちのチャレンジは続く
ちなみにロピアでは道場六三郎氏が監修した惣菜・弁当、さらにはすき焼きの割下(製造は18年にロピアが子会社化した丸越醸造)などのダシ類を販売している。これらはロピアの商品担当者と、道場氏が企画会議を重ねて商品化したオリジナル商品だ。このように、和の鉄人・道場氏はコロナ禍の逆風を跳ね返し、92歳となった今も生涯料理人の心意気で、新たなチャレンジを行っている。
ともに『料理の鉄人』の黄金期を築いたフレンチの鉄人・坂井宏之氏は09年に「現代の名工」に選出。今も南青山・山王・福岡に3店ある「ラ・ロシェル」のオーナーシェフとして、絵画のような美意識に優れた料理を後進に伝えている。中華の鉄人・陳建一氏は残念ながら3月に亡くなったが、子息の陳建太郎氏が「四川飯店」グループのオーナーシェフを継いでいる。
『料理の鉄人』が終わっても、黄金期を支えた3人の鉄人はお互いが切磋琢磨するなど、交流も深かったという。3人とも「生涯料理人」として匠の道を究めたといえる。時代が変わる中、鉄人たちがどのようにニーズへ対応し続けるか、今後も注目だ。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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