銀座→郊外の移転で大成功 92歳の「最強の鉄人」道場六三郎氏はいま:あの話題は今(3/4 ページ)
「最強の鉄人」道場六三郎氏が、郊外で新たなチャレンジを続けている。銀座から郊外の庶民派スーパー横に移転した「懐食みちば」、さらには焼肉店「肉匠みちば」をオープンし、連日客足が絶えない。
「懐食みちば」の好調を受けて5月29日、同店の隣に道場氏の料理のエッセンスを生かした焼肉店「肉匠みちば」もオープンした。元々精肉店があった場所を飲食店にしたもので、ロピアが19年に立ち上げたeatopia(川崎市)が運営している。この他、eatpiaが経営している店には8年連続で「ミシュランガイド1つ星」を獲得しているステーキ店「中勢以」などがある。
「元精肉店」ならではの強みを生かす
「肉匠みちば」では、元精肉店だった特徴を生かし、ショーケースに並んだ肉を見ながらメニューを注文できる方式を採用した。ショーケースには1皿500円台のホルモンから、2000円に近い価格の神戸牛・特上ロースまで、豊富な種類の肉がそろっている。ブランド和牛がこなれた価格で提供されるのが魅力の一つである。
同店の席数は80ほどと、かなりの大箱だ。通常、肉割烹では職人が肉をさまざまに調理して提供する。一方「肉匠みちば」では、客がセルフサービスで肉を焼く、通常の焼肉スタイルになっているのも特徴だ。
道場氏のアドバイスに基づいて、神戸牛や特上牛タンのような肉自体の風味が豊かかつ高級な肉は、シンプルに焼いて食べるようにしている。道場氏の考案したタレやダシが活躍するのは、おいしいながらも比較的安価な価格帯の肉だ。部位によって、付けダレであらかじめ味付けをしたもの、肉を焼いてからお皿に添えられた特製のタレに付けて食べるものなど、1品ずつ味付けに工夫を凝らしている。同社の担当者は「全部同じ味のタレで食べる焼肉ではなく、一品一品のストーリーがある焼肉の新しいスタイルを目指した」と話す。
ディナーのメニューは、「上ロース 卵黄割下ソース」(1089円)、「10秒カルビ おろしポン酢」(同)、「ねぎ塩タン 心の出汁ねぎ塩」(869円)、「豚カルビ 山椒味噌」(649円)、「鶏もも まよおろし」(539円)、ホルモン各種(539円〜)など。ひとつひとつの肉に専用の付けダレを合わせてセットで提供する「みちば匠の盛り合わせ」(1859円)といったメニューもある。顧客単価は4000円、お酒を飲む人で4800円を想定。飲みものはドリンクバーが429円、お酒も含む「大人のドリンクバー」は1529円で提供する。
ランチの「みちば特製焼きすき定食」(1419円)は、「心の出汁」を揉み込んだ上ロースに秘伝の卵黄割下ソースを絡めて食べるスタイルで提供。同じくランチの「みちば特製炙り牛丼」(1100円)は、ショーケースに並んだ肉をカットしたときに出た切り落とし肉を活用し、心のダシと秘伝ソースを揉み込んだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。
「かつや」のシェアは60%も!? コロナ禍に負けず、とんかつ・かつ丼市場で圧倒的強さを誇る秘密とは
コロナ禍で多くの外食企業が苦戦している。一方で「かつや」は大健闘しており、筆者の試算ではとんかつ・かつ丼市場におけるシェアが6割近くにもなるという。その強さの秘密とは?





