なぜ「半額ショップ」はイマイチなのに、絶対王者オーケーは伸びているのか 「安売り」の手法に違い:小売・流通アナリストの視点(1/4 ページ)
最近「半額ショップ」という新しい業態の小売チェーンが各地で勃興している。値上げが相次ぐこのご時世、多くの消費者の支持を得られるかと思いきや苦戦気味だ。そこにはある盲点があった。
最近「半額ショップ」という新しい業態の小売チェーンが各地で勃興しているようで、マスコミから「これってどうなの?」と聞かれることが増えてきた。「トーアマート」「半額倉庫」「222(トリプルツー)」がその代表格だが、基本的にはさまざまな商品を希望小売価格の半額で提供しているディスカウントストアである。
「物価高の救世主?」といった取り上げ方もされているようなのだが、ビジネスモデル自体はそれほど目新しいものではない。メーカーの余剰在庫の処分を請け負う小売店、いわゆる「バッタ屋」の一種だ。ただ、彼らは「半額」という分かりやすいキャッチフレーズにより「安さ」を消費者に伝えることで、半額ショップという新しい業態を成立させた。
ネット通販の返品、小売店での展示品、メーカーの余剰在庫をまとめて引き取ることで激安の単価で仕入れるため、希望小売価格の半額で売ったとしても十分に利益が出る。値上げが相次ぐこのご時世、消費者も近くに店があれば行こうとするだろう。ということで、急速に店舗数を増やしていけば、多くの消費者の支持を得られるはずだった。
ところが、半額ショップの店舗数トップであるトーアマートは2022年初頭には200店以上にまで店舗数を拡大したが、その後大量閉店を余儀なくされ、今では50店舗台まで減少。詳細な理由は明らかにはされていないが、少なくとも全盛期の4分の3の店が閉鎖に追い込まれたのは、前述のロジックに盲点があったということであろう。
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