「下積みはイヤ」「タイパ悪い」と不満げな若手 やる気になってもらうには?:Q&A Z世代部下のマネジメント法
今後の成長を見込んで下積みのような仕事を振ったら「タイパ悪い」と不満げです。どのようにモチベートしたらいいでしょうか?
Q&A Z世代部下のマネジメント法
マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。
Q: 若手のメンバーに対し、今後の成長を見込んで下積みのような仕事を振りました。他のメンバーも経験しており、地味ではありますがスキルアップには欠かせない業務です。しかし、本人は「下積みなんてしたくない」「タイパ悪い」と不満げです。
モチベーションを上げるには、どう働きかければよいでしょうか?
上司が持つべき心得
A: 必ずしもモチベーション高く仕事に取り組んでもらう必要はなく、あとから「やってよかった」と思ってもらえれば十分。こうした認識の上で、やる気を引き出せそうなことを試してみてもよい
部下が不満そうだったとしても、まずは気にしないということも重要です。初めは不満そうでも、徐々にヒントをつかんでくれればよいのです。マネジメントの基本は「やりくり」です。不満を言おうが、仕事をしてくれれば問題ありません。
もちろん、不満がたまりすぎてモチベーションが下がれば仕事も進まなくなりますので、バランスは重要です。いかなる業務にも常にモチベーション高く取り組んでもらうことは、必ずしも必要ありません。
業務に取り組んでいる間は気が付かずとも、後から「この仕事を通じて経験を積めてよかった」と思ってもらえれば十分です。まずはそのようなゴールを設定してみましょう。その上で、部下のやる気を引き出せそうなことを試してみてもよいでしょう。
モチベーションを上げる手段には「この仕事を通じてどんなビジョンを成し遂げたいのか」を熱く語ってみたり、業務に取り組むことでどのように市場価値が高まり、キャリア形成につながるかを伝えてみたりすることが考えられます。また、ライバルを設定して競争させ、競争に勝つと得られるメリットを示すことや、その仕事が誰の困りごとを解決し、誰が喜ぶのかを意識させる方法もあります。さらに、その仕事が本人の専門性や経験を広げることにどのようにつながるのか、有用性について訴えてみる方法もあるでしょう。
人によってどのアプローチが効果的かは異なるため、複数の方法を使い分けてみましょう。また、不満を解決するということに焦点が向きがちですが、実は話を聞くだけで、部下の不満が解消することも。部下の話を聞く、傾聴することも大切なポイントの一つです。
話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)
リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員
入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。
書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)
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